第6章:女の決意・男の勘違い
第20話:手のかかる子、かからない子
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
こない。
俺にとって腹心と言っても差し支えないエビルプリーストに見つけられないのだ……
さぞかし強大な勢力が動いているに違いない。
まさか伝説の勇者以外に、我ら魔族に対抗できる勢力があるとは思わなかった……
それにしても……ふざけた連中だ!
こんな置き手紙を残し俺を挑発してくるとは……
だが手紙の内容からするに、ロザリーの無事は確かだろう。
そして彼女を守る為に自ら投降したピサロナイトも……
だが奴等に弱点を握られてる事に変わりは無い。
このままでは人間撲滅に支障をきたしてしまう……
エスタークを見つけ出す前にロザリーの奪還をしなければ、人間共に殺されてしまう……急がねばならないだろう!
それに命が無事だとしても、邪悪な人間共がロザリーに手を出してないはずがない!
ピサロナイトとも酷い目に遭ってるのだろう。
俺にはロザリーという心に決めた女が居たから、ピサロナイトの……いや、ラピスの想いに応えてやれなかったが、無事に助け出したら労ってやらねばなるまい。
とは言え、ロザリーには言えないだろう。
あの娘を悲しませる事は俺には出来ないのだからな。
俺の側に仕えさせる事で、周囲には知られない様に心がけねばなるまい。
「デスピサロ様、大変な事が分かりました!」
人質になってる二人の事を考えてると、エビルプリーストが血相を変えて部屋へ飛び込んできた。
コイツが慌てるとは……余程の事だろう。まさかロザリーの身に何かあったのか!?
「人間が金を採取してる金鉱で、地獄の帝王エスターク様が発見されました!」
「何……それは本当か!?」
ちっ……よりによってこんなタイミングで!
「……分かった。皆の者を広間に集めよ。人間共が下手に刺激しエスターク様を目覚めさせる前に、我らが赴き丁重にお迎えするんだ」
「はっ! しかしその点は大丈夫でしょう……エスターク様より発せられる瘴気で並の人間は命を落とします。近づけるほど魔力や体力・精神力のある人間が居るとは思えませぬ」
「うむ。確かにその通りだ……ではお前はロザリーの捜索を続けよ」
「え……私はエスターク様の下に行かなくてもよろしいのですか?」
急ぐ必要がない以上、無駄に全勢力を向かわせる必要もない。
ここはロザリーの捜索も優先させるべきだろう。
「お前は構わぬ。むしろ捜索用の人員を増やそう……エスターク様の居場所が分かった以上、こちらの捜索人員は削減して構わないからな」
「は、はぁ……では私は引き続きロザリー様を捜索致します」
俺はエビルプリーストが出て行ったドアを見ながら、未完成の進化の秘法をエスタークに使用する言い分を考える。
太古に人類を恐怖に陥れたエスタークを更に進化させ、人類を滅殺させるのだ。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ