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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
十五夜 〜幼子は座して成り行きを見定めるだろう
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込んだ刃が一斉に空を切る。その一撃一撃にプロテクションを容易に砕ける魔力が充填されたそれは魔力運用の極致である。
対するマリアン。ブラスタービットを4対1つの魔法陣に自分の手に持つそれを加えて巨大な5重魔方陣を展開。全魔方陣とビットの魔力ラインを繋げ、火力ではなく数に特化させた超特大の魔導ガトリング砲が火を噴いた。なのは並みの魔力を込めて発射されたそれは最早文字通り眼前のすべてを粉砕する隕石の雨。

二人の射撃魔法は情け容赦なく次々にナハトヴァールの残骸に命中し、信じられないスピードで表面を削ってゆく。さながらたった2人の戦争―――その砲撃が途切れた瞬間、絶対零度の氷獄が飛来した。

「凍てつけ、エターナルコフィン!!」

4つのブラスタービットによって更に増幅させたそれはこの世に現れた地獄の最下層、悲嘆の川(コキュートス)の吹雪そのものである。あれだけ巨大な質量を誇るナハトの残骸を一瞬で凍結させた。膨張する巨体が完全に停止する。

「今だクルト!遠慮はいらない、全力でぶつけろ!!」
「元よりそのつもりだ・・・跡形もなくなったって責任は取らんからな」

その氷獄さえ噛み砕く伝説の顎が、目の前に迫っていた。両腕に装着した篭手型デバイス『パニッシャーバイト』の周囲の大気が歪に曲がる。いや、クルトの魔力変換資質によって生み出されたエネルギーが膨れ上がっているのである。

「草薙の剣を生み出した大蛇の牙・・・!八岐連顎(やまたれんがく)!!」

その時、彼の腕には巨大な”牙”があった。空間を歪曲させるかのような巨大な”牙”はその突き出された両拳と重なり、轟音と共に氷諸共ナハトの残骸を深く抉った。
1撃が繰り出されると共にミサイルが着弾したかのような轟音が大気を叩く。それが八岐の名の通り、2、3、4、5、6、7、8撃。命中する度に存在そのものを削られるようなその連撃は―――

「スサノオさんがどれだけ卑怯な手を使ってヤマタノオロチさんを倒したのかがわかりますね・・・スサノオさんも汚い大人だったんだなぁ・・・」
《確かに龍退治の物語としては些か情趣に欠けるな》
「あー・・・確か酒に酔わせて眠ったところを、だっけか」
「日本神話に登場する生き物は基本酒に弱いイメージあるわー」

汚いさすがスサノオ汚い。騎士道の風上にも置けない男です。きっと現代にいれば愚物みたいな男に違いありません。・・・と、それはともかくクルトさんの攻撃でもうあらかたのパーツが粉微塵になったナハトの残骸は戦闘能力が残っているようには見えず、出番がないまま決着がついたようにしか見えません。
が、シャインお兄さんは何だか浮かない表情。

「どうしたんですか?」
「ん〜・・・開いた枠に収まったのか?だから矛盾は無い?エグザミアは永遠結晶・・・無限力の発
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