第二章 小さな約束
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無い、ということですか?」
正純の、言葉に頷く酒井
「いつもはもっと、こっちからの荷もあったんだけどなあ。今回は妙に無いな」
眉をひそめる酒井に、正純は言う
「まるで、三河が死ぬ前に形見分けして、自らを世間から隔絶しようとしてるみたいですね」
「オイオイ、おっかないこと言うなよ。ただでさえ三河は鎖国状態で、交流不許可とかいって武蔵とも距離をとってるんだからさぁ」
酒井の言葉に、正純もそうですね、と返す
だが、椿だけは先程の正純の言葉が頭から、離れないでいた。
「まさか………な」
椿の小さな言葉は静かに空に消えた。
●
「じゃあ、一応私はここで」
三河の関所に着き、正純は酒井と椿に頭を下げる
「悪いね、わざわざ」
頭を下げる正純に酒井が、肩を叩く
「いえ、副会長として当たり前です、それじゃあ椿後を頼む」
「了解、あぁ後今日の夜トーリの大将が学校で、幽霊払いをやるみたいだけどお前も来る?」
幽霊払い?と正純は腕を組少し考えると
「いや、遠慮しておくよ今日は三河の花火が見たいし」
「解った、じゃあ皆に伝えておくよ」
そう言うと椿と酒井は、歩きだす。
すると正純は少し迷いながら、言葉を発する。
「あ、あの、今日このあと後悔道りを調べようと思っています。」
正純の言葉に二人は少しの間、言葉を無くす。
「え、えっと」
「良いんじゃないの、正純君がトーリ達の方に一歩踏み出すのも」
酒井の言葉にはぁ、と答える正純
「まぁ、色々あると思うけど調べて損は、無いと思うよ」
「はぁ、解りました。」
今度こそ、別れの言葉を言い合い、椿と酒井は歩きだす。
正純はそんなら二人の背中を、黙って見ていた。
●
三河の町を背後に三人の人影があった。
一人は、中年過ぎの、細い男、榊原・泰政
一人は、同い年くらいの、体格のいい男、本多・忠勝
まう一人は、二人目の背後に控えた少女、本多・二代
そこに、もう二つの影、酒井・忠次と、刻風・椿の二人だ。
(あれは、本多・二代?)
椿は忠勝と榊原の、背後に立つ少女二代を、見て少し驚いていた。
今忠次と、忠勝達が会話をしているが二代は、ただ、ずっと椿を見ていた。
(なんで、あんなにガン見してんだ?、俺なんかしたかな?)
あまりにも、凝視してくる二代に少し戸惑う椿
だが、次の瞬間椿と酒井に予想外の事がおこる。
「………見せろ」
空気を叩くように響く、忠勝の声
瞬間、二代の姿が消える。
舌打ちを
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