第二章 小さな約束
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ライゾンじゃなくても」
「なくても?」
「何も出来ねぇ俺だけど、そばに居てくれねぇかなって」
そうか、と言い酒井は煙草の煙を空に吐く
「いつ、そう思った?」
「一週間くらい前さ、十年前のこの頃に、ホライゾンがいなくなったんだな、と考えたら自然と、そう思えたんだよ、だからコクろうって決めたんだ。」
「そうかい、そこまで解ってる俺からは何もないね、まぁ頑張んな」
そう言うと酒井は歩きだす。
椿もその後に続く
「あぁ、そうだ椿お前結局、今日の幽霊払い来んの?」
トーリの言葉に椿は振り返る。
「八時ぐらいだよな?」
椿は酒井をみる。
「そんくらいの、時間なら大丈夫だろ」
「つーわけだから、顔ぐらいは出すよ、一応正純にも伝えておく」
頼むわ、というトーリの言葉を聞き椿と酒井は、再び歩きだす。
●
後悔道りを、抜けてすぐ椿と酒井は生徒会副会長、本多・正純と合流していた。
「椿、お前も行くのか?」
正純は、酒井学長だけが三河に降りると聞いていたため、今この場にいる、椿に驚いていた。
「あぁ、正純はまだ聞いてないのか、昨日の夜いきなり頼まれてな」
ジト目で酒井学長を睨む椿
「仕方ないだろ、昨日いきなりダっちゃんが、久々に椿の顔が見たいって言うから」
酒井の言葉にため息をつく椿
「たく、忠勝の旦那も言うなら、もう少し速く言ってほしいですよ」
まったく、と言いながら椿は呆れていた。
そんな椿に、正純が問いかける。
「椿、お前は本多・忠勝と面識があるのか?」
「まぁな、小さい頃何回か稽古をつけてもらった事があるんだ。つっても俺が一方的にボコボコに、されてたけどな」
笑いながら答える椿に、正純は言葉を無くす。
「じゃ、じゃあ本多・二代とも、面識があるのか?」
「二代って、旦那の娘さんの?」
あぁ、と答える正純
椿は少し考えた後
「あぁ、話した事は無いけど、お互い顔は見たことがあると思う」
曖昧な答えに、そうか、と正純は返す。
事実椿と二代は、実際に会話をした事はない
椿が稽古で、忠勝にボコボコにされた後、本多家付きの自動人形、鹿角に手当てをしてもらっていた時、襖の影から二代が此方を覗いていたのを、覚えていたのだ。
「それにしても、変だな」
ふと、酒井の言葉に椿と正純は、酒井の方を見る。
「変? というと………」
聞き返した正純、辺りを、貨車や人の流れをみて、正純はハッと何かに気付く
「武蔵への荷はあっても、武蔵からの荷は
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