第一章
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これはどうしても否定できないことだった。彼のポジションは。やはりキャッチャーである。今や秋山のボールを受けられるのも明大で彼だけになっていた。
「キャッチャーだからそれでいい」
「守りだけでですか」
「秋山のボールを受けられるのはあいつだけだ」
彼もまたこのことを言うのであった。
「そして。あいつ程のキャッチャーもいない」
「だから打たなくてもいいんですか」
「そうだ。打たなくていい」
島野の言葉は続く。
「あいつは打つ以上の仕事をしてくれているからな」
「キャッチャーとしてですか」
「秋山のボールを受けてリードをする」
それが土井の役割だというのだ。
「それでいいんだ」
「わかりました。それじゃあ」
「土井はキャッチャーなんですね」
そういうことだった。土井はバッターではなくあくまでキャッチャーであった。秋山が投げて土井がリードをする、それにより明大は黄金時代を迎えた。当然ながらこの活躍はそのままプロ野球界の間でも噂になった。すぐにスカウトの話が来たのも当然の流れであった。
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