第6話 「リンディとの再会」
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言っても分からないわね」
ロストロギアについて簡単に説明するために、リンディさんは次元世界には多くの世界があること。その世界の中には、間違った方向で技術や科学が進化してしまった世界があることを説明した。
「進化しすぎてしまった技術らで自らの世界を滅ぼしてしまって、あとに取り残された危険な遺産」
「それらを総称してロストロギアと呼ぶ」
「そう、私達管理局や保護組織が正しく管理していなければならない品物。それがあなた達が探しているジュエルシード」
リンディさんは一度お茶を飲み、その後ジュエルシードについて詳しい説明をし始めた。彼女は近くにあった角砂糖をお茶の中に入れる。
俺は事前にリンディさんが甘党だと知っていたためどうにか我慢できたが、高町は声を上げてしまった。高町の反応は地球――日本に住んでる者としては当然の反応だろう。俺も面識がなかったなら、彼女のように声を上げていたはずだ。
「君とあの子がぶつかったときに生じた振動と爆発。あれが次元震だよ」
「あっ……」
「たったひとつのジュエルシードでもあれだけの威力があるんだ」
何もなかった空間にジュエルシードが映ったモニターが出現する。それは執務官の説明に合わせて変化していく。
「複数個で発動した際の影響は計り知れない」
「大規模な次元震やその上の災害《次元断層》が起きれば、世界のひとつやふたつ簡単に消滅してしまうわ。そんな事態は防がなきゃ」
そこまで言うとリンディさんは、砂糖だけでなくミルクも加えたお茶を飲んだ。甘いものは平気だが、あのお茶の味を想像すると吐き気を覚えてしまう。
一息ついたリンディさんは、笑みを浮かべながら俺達に告げる。
「だから、これよりジュエルシードの回収は私達が担当します」
「え……」
「…………」
リンディさんの言葉に、高町は声を上げ、ユーノという少年は膝の上に置いていた拳をより強く握り締めた。子供ながらに責任感や正義感を感じているのだろう。
「君達は今回のことを忘れて、それぞれの世界に帰るといい」
執務官の言葉を聞いたとき、俺の胸の中にある疑問が巻き起こった。
なぜリンディさんは、高町にロストロギアのことやジュエルシードの危険性を簡潔にではあるが話したんだ。自分達が回収を引き継ぎ、これ以上関わらせないようにするなら話す必要はなかったはずだ。これから導き出される答えは……
「でも……!」
「まあ急に言われても気持ちの整理はつかないでしょう。今夜一晩ふたりで話し合って、それから改めてお話をしましょ」
そう言ってリンディさんはにこりと笑った。
おそらくリンディさん達は、高町達を協力者として迎え入れたいと考えているはず。自分達から協力してほしいと言わないのは、対等な関係で
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