暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
第6話 「リンディとの再会」
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いつの間にか全員の視線が集まっていた。デバイスのことが気になっているのだろう。
 高町の前で出すと誤解されそうだが……変に隠し続けてバレたときのほうが誤解されるか。そう思った俺は、ポケットからファラを取り出した。全員の視線はファラへと移る。

「艦長……」
「この子は人型フレームを採用して作られた最初のインテリジェント・デバイス。名前はファラ……正式名称はファントムブラスターだったかしら」
「女の子の……デバイス?」
「え、えっと……」
「……マスター」

 ファラは視線をさ迷わせた後、こちらに助けを求めてきた。人間と同じような反応するものだと感心する。だがファラよりも先に相手をしなければならない子がいる。言うまでもなく、何かしら誤解していそうな高町だ。

「高町、言っておくけど女の子みたいな趣味はないから」
「え……あっ、うん」
「…………」
「疑ってない、疑ってないから!」

 そこまで必死に否定されるほうが、こちらとして余計に疑ってしまう。しかし、こちらまで必死になってしまうとかえって疑われる恐れがある。このへんで終わっておいたほうがいいだろう。
 ファラを胸ポケットに入れながら、リンディさんに話しかける。

「リンディさん。こちらから言うのも変ですが、そろそろ本題に入りませんか?」
「それもそうね」

 こほん、と咳払いしたリンディさんの顔つきが真剣みを帯びたものに変わった。俺達は、改めて姿勢を正して彼女に向かい合う。

「まずは……そうね、ショウくん。君はどこまで分かってるのかしら?」
「首を突っ込むなと言われてましたから、そこにいるふたりほどは……。はっきり分かってることは名称くらいですね」
「……充分に突っ込んでると思うけどね」
「突っ込みたくて突っ込んだんじゃないですよ」

 執務官の独り言に、視線はリンディさんに向けたまま返事をした。
 彼の言葉は事実であり、最もなことだ。俺にも事情はあったが、ここは聞き流すのが正解だった。
 そんな風に言い終わってから後悔する。それと同時に、同年代よりも精神年齢が高いだの、子供らしくないだの言われていても、自分はまだまだ子供なのだと実感した。
 微妙な気まずさが流れ始めたが、リンディさんは気にした様子もなく、本題の話を始めた。リンディさんはユーノという少年に事の経緯の説明を求めた。少年は責任を感じているような顔をしながら話し始めた。

「……そう。ロストロギア《ジュエルシード》を発掘したのは、あなただったんですね」
「……はい」
「あの……ロストロギアって?」

 高町の質問に、リンディさんは困ったような笑みを浮かべた。魔法文化に詳しくない高町に、どのように説明したらいいか迷っているのだろう。

「うーん……遺失世界の遺産って
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