第六章
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てたわ」
本当の意味での暗黒時代だった。しかしそれが本当に変わったのだった。
「そう考えるからあかんかってんな」
「そうですよね」
「実はな、わしは確かに巨人が嫌いや」
それをまず認めてきた。
「それは変わることはない。けれどそのせいで」
「他の球団のことを忘れていましたね」
「ずっとな」
阪神の怨敵は確かに巨人だ。巨人は全ての球団にとって憎むべき怨敵である。しかしそれだけではないのだ。阪神の敵は巨人だけではない。星野はまずそれに気付かせてくれた。このことも大きな意識改革だった。今思えばそうだった。
「これとこれだよな」
彼がテレビの出演で言った言葉を思い出していた。彼はその時そのシーズンの順位表を出して広島、そしてヤクルトを指差したのだ。そう、ヤクルトをだ。
「何とかしねえとな」
巨人ばかりを考えてヤクルトのことは忘れていた。僕は不思議な程ヤクルトのことを覚えていた。しかし何故か多くの人間は気付かなかったのだ。
いや、気付いていたのだろう。あるスポーツ新聞で熱狂的な阪神ファンで知られるタレントが怒り狂っていたりもした。それを見ているとやはり意識はしていたのだ。しかしそれ以上に巨人のことだけを考えてしまっていたのだ。
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