第四十五話「過去編・突然変異種との交戦」
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
飛びついた突然変異種は、レックスに何もせずそのまま横切った。
いつの間にか、レックスは刀を抜いていた。抜刀した瞬間を誰も見ていない。
そのまま素早く日本刀を鞘に納めた。
キンッと納刀する音が聞こえた瞬間………突然変異の四肢、胴体、頭が何十とバラバラになり、
一瞬のうちに血の海と肉塊に変わった。
「おい、見えたか?今の……」
「いいや……相変わらず、すげぇ……」
レックス隊の兵士でさえ、レックスが何をしたのか分からない。それほど素早いということだ。
タガート隊も、少なからず損害を受けていた。
既に2人兵士が殺された。
「レックスの方はカタがついたか……」
タガートは仲間の死を見ても、決して怒りも悲しみも表に出さなかった。
"取り乱せば負け"がタガートのポリシーだった。
「グガァァァァ!!」
突然変異種がタガートに向かって咆哮し、突っ込んできた。
「冷静さを無くした奴に勝ちはこないぞ………」
タガートの言葉に耳をかたむけず、突然変異種はタガートを刺し貫こうと腕を突き出す。
しかし………
「ふんっ!!」
素早く突然変異種の真下に潜り込み、突き出した腕を掴み、一本背負いを見舞った。
「グゲッ!?ゴガガッ……ゲブ……」
一切の手加減を抜いた一本背負いは、突然変異種の背骨を砕いた。
あっという間に、突然変異種2体が倒された。
「お前ら!!あの2人に続くぞ!!」
タガート隊の兵士が、他の兵士達を鼓舞する。
その瞬間………
ガリッ グチュッ
「ぐぉあ!?」
兵士の腕に、感染者が噛みついてきた。
「クソッ!離……せ……!?」
噛まれながらも、驚愕した。
噛みついてきたのは、ついさっきまで共に戦っていた兵士だった……
「畜生………覚悟はしてたが………!!」
コープスウイルスが絡む現場で注意すべきなのは、"仲間が敵に変わる"ことだ。
敵は感染者や突然変異種だけではない。仲間ですら疑わなければならない。
「手を止めるな!躊躇うな!発症すればただの敵だ!」
ヴェールマンから、正しくも悲しい言葉が飛んできた。
手を止めていた兵士達が、嘆きながらも戦いを続行した。
「クソッ、早くこの地獄から抜け出したい……」
フィリップの嘆きに、ブランクが喝を入れる。
「しっかりしろ。俺達が弱気では誰も救えない。怖いのは皆同じだ」
「……………そう、だな。すまない」
突然変異種が、ブランクとフィリップを睨む。
「行くぞ、フィリップ」
「あぁ、任せてくれ」
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ