第伍話 ベルベル視点
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に塗り替えられてしまっていた。
紫色の空もスライムもこんなに巨大な蜂も、何もかも理解の範疇に無い。
どうすればなんて考える気すら起らない。
―――― ガヂ ――――
「あがあっ!」
そんな私の胸中も現実はお構いなし。
巨大なスズメバチの2本の足が、動けない私の脇腹を両サイドから掴んだ。
そして先端に毒針がついている腹部が弓を引く。
「ああああああやだああああああ」
―――― どすッ!! ――――
「ぐべえ………………っ」
お腹の中心から全身へと電気が走った。
毒針は見事に私のおヘソを貫いていた。
おヘソと針の間からは血がぴゅうっと吹き出し、スカートとその中の下着を赤く染め上げる。
「うあああ、やだ、いやだあああ」
私は激痛に泣きじゃくりながら針の刺さったおヘソを凝視する事しか出来なかった。
暴れても暴れても。紫色のスライムは私を縛り続けて離さなかった。
そしてここまでされて尚、私のお腹の中で新たな異変が起こり始めていた。
―――― ……ちゅ……ぶぢゅる…… ――――
「 へ 、へぁ…… 」
お腹の中にひやりと冷たい感覚が広がっていく。
針の先から、何かを流し込まれている!
「ああ、あああ!! なんで、なんでえええええ!!」
冷たさが広がると共に、その感覚の後から後へ気持ちの悪い痛みがお腹を占領していった。
―――― ギリリ、ギリギリ ――――
それに対して満足げにスズメバチは顎を鳴らす。
「えええ、おげぅ、うええ!!」
私は広がる気持ち悪さと痛みに急激な吐き気を催した。
が………
「げるっ………!」
――――ばしゃああぁ……――――
それは口からではなく、太腿と太腿の間から流れ出た。
溶かされて液体となったお腹の中身が ―――
――――――――――――――――
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