第四章
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「バースは阪神のバースや」
この言葉こそファンが見ていたバースだった。寒い秋の中でも半袖でいて不敵に笑ってエキサイトしていたから寒くなかったと言う。無敵とまで言われた西武もそのアーチで破った。所沢は見渡す限り阪神の黒と黄色で覆われ六甲おろしが鳴り響いた。日本一になって胴上げの時は今も覚えている。
「バースがいたから阪神は日本一になったしな」
「バースあればこそ、でしたね」
「けれどあの頃のナインは皆よかった」
殺し文句が出た。
「脚こそあまりなかったけれどな」
「守備もよかったですね」
野球は打つだけではない。守備も大事だ。あの時の阪神は守備もよかった。掛布や岡田、真弓は打つだけでなく守備も一流だったし平田に吉竹、佐野、木戸もいた。主役が揃っていたのだ。ピッチャーが少々頼りなくても勝てたのはそこに理由があったのだ。
「そやな。安心して見られた」
「はい」
「席はそこやったな」
中沢さんはチラリとチケットを見た。そうして僕達は一旦話を止めて一塁ベンチのすぐ上の席に座った。そこでまた話を再会させた。
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