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とある蛇の世界録
第二話
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それは、どういうことだ?」
「私は、神との盟約により、派閥ごとの戦いにおいての協力を禁止されている。まぁ、ミカエルあたりにでも頼めば、なんとかなりそうだが、それは私が許容できないからな」
「そうなると、どうするのだ? 協力はする、だがわれわれには協力できないとは」
「まぁ、待て。お前にはこれをやる」

 そういって朧は差し出してのは、アーシアに渡していた『おまもり』に、非常に似通ったものだった。

「これは?」
「そこには、私の娘が入っている。封印されたんだよ、三勢力によってな。恐らく、相当恨んでいるだろう、三勢力の事を。どちらにせよ、主従を交わせば、お前に付き従うだろう」
「主従、とはどうすれば?」
「簡単だ。戦って勝て。それだけだ、大体五割程度の力だろうな」
「戦って、勝つ……」
「そうだ、これからお前達の歩むだろう道のりに欠かせないことだ。負けは許されないだろう?」
「…………そうだな。その通りだ。勝たなければいけない。協力感謝する」
「気にするな。どちらかといえばその娘のためだからな」

 それに頷きで返し、何か大きな事を心に決めた顔で、曹操は霧に包まれていった。
 そして、朧はポツリとつぶやく。



「…………人間に対する罪、ね」

 

 かつて、愛した、一人の少女を思いながら。




 
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