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偽典 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第8章 そして、伝説へ・・・
第壱話 再会
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。大魔王に延髄切りを放つような男なのだから・・・・・・
気がつくと、いつの間にか勇者が俺の正面に座っていた。
テルルが舌打ちをしたような気がしたが、気のせいだろう。
「アーベルさん?」
勇者は、ラダドーム城内での騒ぎからようやく解放されたようで、俺に話しかけてきた。
「ようやく、説明が・・・・・・!」
俺は、思わず声を上げる。
「しゃべれたのか」
「・・・・・・ええ、すいません」
勇者は申し訳なさそうな表情で謝る。
「いや、しゃべれるのは問題ない。
というか、謝る必要なんてないと思うのだが?」
「いえ、私がしゃべれることをずっと隠していたことに、謝っているのです」
「隠していた?」
「どういうことなの?」
テルルは勇者に質問する。
「すいません。みなさんと合流したので、ようやくしゃべれるようになりました」
俺たちと合流したから?
だが、原作にそんな設定があるとは聞いたことがないし、そもそも、俺に謝る必要などない。
と、俺の疑問をテルルが代わりに質問してくれた。
「あなたは、あなたのお父さんが火山に落ちて亡くなったと聞いた日から、しゃべれなくなったと聞いたけど?」
「ごめんなさい。みなさんと合流するまで、しゃべれなかったのです」
「どうして?」
俺は、勇者に問いかける。
勇者オルテガは、普通にしゃべっていたはずだ。
「実は私は、勇者ではありませんでした」
「・・・・・・。え?」
「なんですって」
俺達は驚愕した。
「父が亡くなったと知らされた後、私は母親の言葉をうけ、勇者の素質があるかを確認しました」
勇者は少しだけ顔をうつむかせる。
「しかし、私に勇者の素質が無いことが判明したのです」
目の前の勇者はたんたんと話す。
「そのことを知った王と大臣と母親は、国民の希望を絶やさぬ為に、私を勇者にしたてました」
当時、アリアハンには勇者候補生は誰もいなかったはずだ。
そのことが、目の前の少年を勇者として、したてあげる要因になったのだろう。
その後、新たな勇者候補生があらわれたが、ようやく10歳になったところだ。
結果的に、国王達の判断は正しかったのだろう。
俺の個人的な思いとは別にして。
「それで、しゃべれなくなったと?」
「私が嘘をつけないことを知っていた母親は、私が勇者の役割を終わらせるまで、しゃべらないことを私に約束させました」
「しょうじきものだったのね?」
勇者は頷いた。
「私は代わりに、アーベルさんと一緒に冒険することをお願いしました」
俺は頷いた。
「本来なら、そこで私の秘密が明らかになる予定でした」
「まあ、一度魔王を撃退した実績のある俺達と一緒だったら、問題ないと判断したのか?」
勇者は再度頷いた。
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