第六章
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「わかればいい」
「その時ですか」
「その時にわかれば」
「さもなければ下手をすれば退学じゃぞ」
高校生の間に大きくなればというのだ。
「わかったな、それではじゃ」
「はい、それじゃあ」
「私達は」
「御前さん達は今高校生じゃったな」
「はい、三年です」
「私もです」
「それなら丁度よいわ」
ここで一年生や二年生なら問題だったというのだ。
「秘密にしている時は長ければ長い程まずい」
「一年か二年多いとですね」
「余計に」
「そうじゃ、まずいからのう」
隠している時間は短ければ短い程いい、隠居も準也と同じことを言うしわかっているのだ。
「だからじゃ」
「そうですね、それじゃあ」
「今から」
「まずはお袋さん達に話してじゃ」
「はい、後は俺達が」
「するだけですね」
「頑張るのじゃ」
二人の幸せの為に、隠居は準也と麻琴に言った。
「よいな」
「わかりました、じゃあ絶対に」
「私達幸せになりますから」
「馬鹿親父共の為にその子供達の幸せが壊されてたまるか」
隠居はこうも言った。
「そんなことはあってならん」
「馬鹿親父、ですか」
「本当にそうですよね」
「馬鹿ガキが馬鹿親父になったわ」
それが二人の父達だというのだ。
「そんな連中に好き勝手にはさせるものか」
隠居はこう考えているからこそ二人に助言をしたのだ、そのうえで顔を見合わせて誓い合う二人を温かい目で見た、そうして。
二人はまずそれぞれの母に事情を話した、すると。
二人共驚いた、だがすぐに冷静になってそれぞれの子供に言った。
「まあいいわ」
「私達はね」
「あの娘のことは知ってるしね」
「悪い子じゃないからね」
「あの娘なら私もいいと思うわ」
「いい相手見つけたわね」
こう言うのだった、それぞれ。
「じゃあいいわね」
「幸せになりなさいよ」
「ただ、お父さんには気をつけてね」
「お父さんだけは認めないから」
このことも言うそれぞれの母だった。
「だから、そこはね」
「上手にやりなさいよ」
母達もこのことを注意することを忘れない、そして。
二人もだ、こう母達に返す。
「俺もそのことはわかってるから」
「やっぱりお父さんよね」
「だから、ここはな」
「こうするから」
二人はそれぞれ別々、それぞれの家の中で母にどうするかを話した。すると。
母達はまた驚いたがこのこともすぐに落ち着いてこう答えた。
「思い切ったことやるわね」
「それでいくのね」
「そうね、高校卒業の時にわかるのならね」
「それならいいわ」
二人も時期的にぎりぎり許容だとした、そうして。
母達もだ、意を決した顔でそれぞれの子供に言った。
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