第三章
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「頑張ったわ」
「お茶やなくてジュースにしてたしな」
「糖尿には気をつけながらな」
「そっちは大丈夫かいな」
「ああ、健康診断でセーフって出たわ」
だからそのことは大丈夫だというのだ。
「そやから健康的にや」
「太れたんやな」
「やったわ、これでわしもデブや」
泰は清に実に楽しそうに話す。
「苦労した介があったで」
「ほんまようやった」
「人間あれや。痩せ過ぎててもな
「やっぱりあかんな」
「おるやろ、デブは嫌っちゅう若い娘」
それで交際相手を選ぶだけでなく自分もそれこそ針の様に痩せようとする。それはどうかというのだ。
「あれはあかんわ」
「確かにようないな」
「あれは交際相手狭めて自分をいじめてるだけや」
泰はこう断言した。
「あんなんあかん」
「ある程度太ってる方が可愛いしな」
「それで何でムキになって痩せるんや」
泰は目を顰めさせて言う。
「わしにはわからんわ」
「わしにもや。とにかくな」
「やっさんは太れたな」
「ほんま嬉しいわ。ほな今日は」
その串カツの山を見つつ清に満面の笑みで言う。
「せいらい食おか」
「ああ、じゃんじゃんいこな」
清も笑顔で応える、そしてだった。
泰は清と共に太れたことを祝った、だがここで彼は油断してしまった。
甘いものを飲まなくなり間食をしなくなった、元々そうしたものは口にしないので油断したらまさにすぐであった。
十一時のおやつも忘れ三時のおやつも少しになった、昼寝もしなくなり夜も普通に食べ酒の量も戻った、するとだった。
戻った、まさに瞬く間に。それで数ヶ月もすればだった。
太ると宣言したその時の姿の泰にだ、清は感心した様に言った。
「痩せたなあ」
「ほんまやな」
泰自身も感心する様にして言う。
「痩せたわ」
「あっという間やったな」
「気が付いたらや」
もう、というのだ。泰はブラックのコーヒーを飲みつつ話す。今も社会の喫茶店で話している。
「こうなったわ」
「そうか」
「わしほんま痩せやすい体質やな」
「太りにくい体質でな」
「戻ってもうたわ」
こうなったというのだ。
「元の食生活にしたらな」
「普通ダイエットしてリバウンドがあるけどな」
「女の子とかな」
ここでも女の子に例えを求める泰だった。
「そうなるけどな」
「やっさんの場合はちゃうな」
「苦労して太ってもな」
「痩せるんやな」
「この通りな、元通りや」
「つまりあれやな」
ここで清は言った、その相方に対して。
「やっさんの場合は逆や」
「リバウンドの逆やな」
「逆リバウンドや」
それになるというのだ。
「太って痩せてやさかいな」
「そうなるな、折角苦労して太ったのに」
泰は今度は実に口惜しそ
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