第五章
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「これは駄目だ」
「飲み水じゃないわ」
「そしてもうな」
「そうね」
二人はあらためて先を見た。すると。
前は見渡す限り青い海だ、そこから先はとてもだった。
「馬で水の上は行けないからな」
「船がないとね」
「けれどこんな大きな場所を行ける船なんて」
「とてもね」
二人には思いもつかなかった、それでだった。
ドルゴもボンテもだ、こう言うのだった。
「ここで僕達の旅は終わりだね」
「お空の終わりを確かめる旅は」
「それに実際に空も」
「そうね」
今度は二人で空を見る、するとその空は。
果て、空と海の果てて海と一つになっていた。二つの青が一緒になりそこで混ざり合っていた。その空と海が重なり合っている場所を見て。
そのうえでだ、ドルゴはボンテに言った。
「空の終わりだ」
「お空は海と一緒になっていたのね」
「そうだったんだ」
このことを確かめるのだった。
「二つの青が一緒になっていたんだ」
「そうだったのね」
「僕達は遂に見たんだ」
まるで夢を見ている様にだった、ドルゴはその空の終わりを見つつボンテに話した。
「空の終わりを」
「青と青が重なり合って終わっていたのね」
「ああ、こうして」
「空にも終わりがあって」
「その終わりがこれだったんだ」
「本当にあったのね、お空に終わりも」
ボンテもだ、信じられないといった顔で遥か先を見つつ述べる。
「私達が今見ているものが」
「ああ、じゃあな」
「私達は探していたものを見たから」
「戻ろうか」
ドルゴはまだ前を見ている、そのうえで妻に言った。
「草原に」
「東に」
「ああ、そうしようか」
「そうね。それでお空に終わりがあることをね」
「皆に伝えよう」
このことも言うドルゴだった。
「そうしよう」
「そうね、私達の旅は終わったけれど」
「僕達のやることは終わりじゃない」
だからだ、モンゴルに戻ってだというのだ。
「皆にこのことを伝えるんだ」
「それじゃあ今から」
「モンゴルに」
戻ろうと話してだ、そしてだった。
二人は西の終わりの白い砂浜から草原に戻った、そして行きと同じだけ長い時間をかけて長い距離を歩き。
そのうえでモンゴルに戻ってだ、そのことを話すのだった。
「空にも終わりがあるんだ」
「西の終わりに海っていう塩辛いお水が果てしなく広がる世界があって」
「その海と空が遠くで一つになっているんだ」
「それがお空の終わりなのよ」
「空は青くて海も青い」
「その二つの青が一緒になってるの」
それが空の終わりだというのだ、二人はこのことをモンゴルの大草原にいる者達に話したのである。そうして。
その話を聞いたモンゴル人達は西に興味を持った、そしてだった。
彼等は西
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