第六章
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「さっきも言ったじゃないか」
「わかったよ、じゃあね」
「うん、それじゃあね」
こうしてその一枚を買った、そのうえで。
本屋に向かいそこで一冊の本を見つけた、それはケルト神話に関する本だった。
その本を見てだ、こう言うのだった。
「これは面白そうだな」
そう思い勝った、その本はケルト神話に関する新解釈が書かれていた。そこからだった。
彼はケルト神話に関する新しい視点に気付いた、それでだった。
新しい論文を思いついた、それで早速書いた。
しかもだ、それに留まらず今度は。
大学の校舎の中を歩いているとだ、不意にだった。
前から人が来てぶつかった、ぶつかった相手は綺麗な長い赤髪のはっきりとした顔立ちの女性だった。歳は彼と同じ位だった。
背は高くスタイルも抜群だ、それで。
その彼女がだ、ぶつかった彼に言って来た。
「すいません、大丈夫ですか?」
「はい、何ともないです」
こう返す彼だった。
「お気になさらずに」
「そうですか」
「はい、貴女こそ大丈夫ですか?」
「何ともありません」
今度は彼女から言って来る。
「ご安心下さい」
「そうですか」
「確かアイルランドから来られた方ですよね」
「はい、ロナルド=オコーネルといいます」
ロナルドは美女に応えて名乗った。
「アイルランド語学科で助手をしています」
「そうですか、私はエリザベート=シュワルツといいます」
「シュワルツさんですか」
「エリーと呼んで下さい、社会学部社会学科で助手をしています」
「そうですか、では」
「はい、同僚ですね」
「そうですね」
これが出会いとなりそれからも何度か会った、そしてある日のこと。
食堂で昼食を摂っていた彼の前にエリザベートが来た、その手には彼女の食事があった。メニューはトーストとサラダ、それにポークチャップにオレンジジュースだった。
そのメニューを持ってきてだ、こうロナルドに言って来たのだ。
「相席いいですか?」
「あっ、はい」
ロナルドはシチューを口にしながら彼女に応えた。彼が食べているのはそのアイリッシュシチューとビーフストロガノフ、それにボイルドベジタブルにコーヒーだ。
そのうちのシチューをスプーンで食べながらだ、こう応えたのだ。
「どうぞ」
「それでは」
こうして二人は相席になった、そのうえで。
ロナルドからだ、こうエリザベートに問うたのである。
「そちらは最近どうですか?」
「社会学部ですか」
「はい、忙しいですか?」
「そのことですが」
エリザベートも応える、そしてだった。
二人は親密に話をしてこれ以降何度も共に話をしたり一緒にいたりする様になった、二人はそのまま交際する様になった。
その彼にだ、教授が言って来た。
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