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ふとした弾みで
第六章
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「君の論文だがね」
「この前書いた論文ですね」
「うん、斬新かつ的確な主張だとね」
 こう笑顔で彼に言うのだ。
「学会でも評判だよ」
「そうなんですか」
「うん、それでだけれど」
 教授は笑顔のままロナルドに話す。
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