第二章
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「それで一緒になったのよ」
「つまり薫ちゃんが生まれたのも」
「そう、このお花のお陰なのよ」
チコリのだというのだ。
「それで美容師になるって決めてるけれど」
「いつもチコリを見て頑張ってるのね」
「そうなの」
その通りだというのだ。
「私はそうなの」
「チコリちゃんが薫ちゃんの守り神なのね」
「守り花かしらね」
薫はにこりと笑って友達にこう返した。
「ずっと傍にいるから」
「薫ちゃんと一緒に」
「この花を見ていつも頑張ってるからね」
「だから守り花なのね」
「ええ、そうよ」
「それじゃあその花を見て」
「これからも頑張るから」
今までも今もこれからもだ、そうするというのだ。
「私絶対に美容師さんになるわ」
「そうなのね、じゃあいい美容師さんになってね」
「うん、美容師になって」
そしてだというのだ。
「いい美容師になるからね」
「どうせなるのならね」
「そう、なるから」
このことも絶対にだと言ってだ、そうして。
薫は美容師になる勉強を続けた、いつもチコリを見て。
中学高校と勉強を続けそして遂にだった。
美容師の専門学校を受験することになった、その時にだった。
夕食の場でだ、薫は両親にこう言われた。
「いいか、明日に備えてな」
「今日はよく寝なさい」
二人は娘に優しい笑顔で告げる。
「そしてたっぷり栄養をつけろ」
「それを食べてね」
「ステーキにカツね」
見ればこの日の夕食はこの二つだった。
「つまりは」
「そうだ、敵に勝つだ」
「語呂合わせだけれどね」
「敵、つまりは」
「テストだ、その敵にな」
「勝つ、つまり合格しなさいね」
「うん、私絶対に合格するから」
薫は両親に確かな顔で答えた。
「それじゃあこのステーキにカツを食べて」
「そうして合格するんだぞ」
「絶対にね」
両親のこの優しい励ましの言葉を受けてだった、薫は夕食のステーキとカツを食べた。そうしてそのうえで。
風呂に入り歯を磨いてからパジャマに着替えてベッドに入る、その時に。
ベッドから机の上にあるチコリを見てだ、こう言ったのだった。
「明日、絶対に合格するから」
守ってと告げてだ、そしてだった。
薫はその日ぐっすりと寝た、そのうえでテストに挑み。
見事合格した、合格発表を見て家に帰ってから家で家事をしていた母に満面の笑顔でこう言われたのだった。
「おめでとう、それじゃあね」
「うん、これからね」
「美容師に本格的になるのね」
「そうなるから」
絶対にとだ、薫は母に満面の笑みで話す。
「これからも頑張るね」
「ただ美容師になるだけじゃないからね、薫ちゃんは」
「折角なるんだったら」
それならというのだ。
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