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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
反董卓の章
第21話 「それで……ぃい……」
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いるのじゃからの」
「北郷一刀が……そのために連れて行ったと?」
「いや。事情を話したら『盾二は俺が止める』と言っての。それに感動した貂蝉が勝手に連れて行きおった」
「……あのバケモノ。本気で考えなしだな……」

 左慈は忌々しげに舌打ちし、于吉は溜息を吐く。
 卑弥呼だけが、無責任に笑っているのだった。




  ―― 文醜 side ――




「うわっわわあっわ! と、斗詩ぃ!」
「ぶ、文ちゃぁん!」

 アタイと斗詩は、互いに抱き合いながら震えるように身を寄せ合う。
 あ、斗詩、いい匂い……

「ど、どどどどどどどどうなっているの! なにが起こっているの、文ちゃぁぁぁぁん!」

 ああ、慌てる斗詩もかわいいなぁ……
 思わずその胸に顔を埋めて、くんかくんかと……

「ぶ、文ちゃんってば! あんっ……ちょっと! こんな時になんで胸の鎧を外そうとするの!?」
「え? だって胸に顔埋めるのに邪魔だから……」
「こんな異常な状況なのに、なんで(さか)っているのよぉ!?」

 あた、あたた!
 顔を真っ赤にしながら、アタイの頭をポカポカと叩いくる斗詩。
 ちぇー……せっかく斗詩の胸に顔を埋められると思ったのになー……

「はぁ……はぁ……もう! そんな状況じゃないでしょ? 一体何なの、この状況は!」
「あー……うん。そうだな……てか、多分、原因はあれじゃないか?」
「…………え?」

 アタイが指差す先、そこはまるで地獄のような光景が映っていた。
 それは周囲を火柱が吹き出す場所。
 その中心の中で、二つの人影がひどい金属音を響かせている。

「………………なに、あれ?」

 斗詩が呆然としながら呟く。
 ほとんど放心状態。
 けど、アタイも同感だった。

 あれはどう見ても……

「……あ〜りゃ、ダメだわ。人の戦いじゃない」

 アタイは溜息を吐きつつ、頭を掻く。
 人は、隣に驚き騒ぐ人がいると、自分は冷静になってしまう。
 本来ならアタイも騒ぐところなんだろうけど……斗詩の慌てっ振りが先にあったから、すっかり落ち着いてしまった。

 おかげでしっかり状況がわかるんだけど……だからなんだって話だ。
 目の前で起こっている状況は、すでに人智を超えている。

「……あれ、だれ?」
「んー? 多分……片方は劉備軍にいたあの兄ちゃんじゃね? なんかさっき『じゅんじー』とか叫んでいたの、聞こえたし。もう一人は……誰だろ」

 恐らくは敵。
 なら多分、呂布だとは思うんだけど……
 こんなめちゃくちゃな状況では、いまいちわからない。

 そもそも、あの人影が本当に人間なのかも。

「どっちにしてもこっちに来ないうちに下がったほう
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