反董卓の章
第21話 「それで……ぃい……」
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「…………まあ、私達の存在理由ですから。お忘れでしょうが、一応敵対しているのですよ? 私達は、ね……」
「……主義主張が違うだけで、同じ管理者じゃよ。 貂蝉と違い、儂はそう思っておる」
「相変わらず……貴方は中立を貫きますか」
「主義主張はの。貂蝉は漢女道の弟子である故、親しくはあるがの。管理者という大きな枠では、儂らは全て同胞であり、仲間でもあるのじゃよ」
「……そうかも、しれませんねぇ……」
于吉は寂しげに笑う。
その表情に、もはや説得能うまいと首を振る卑弥呼。
「だいぶ話がそれたの。もう一人のだぁりんは、その触媒体質ゆえに龍脈の影響を受けて暴走しておる。それだけなら急がんでも龍脈を抑えればなんとかなるが……問題はそこに呂布がいたことじゃ」
「……虎牢関、ですか」
「うむ……龍脈の力を最も引き出されておる、天性の氣の天才。彼女が龍脈の暴走ともう一人のだぁりんの力の影響を受け、同様に暴走しておるのじゃよ」
「呂布までも……」
「通常でも本気を出せば、一人で二、三万の軍勢を倒せる力を持っておる。それが暴走……どうなるかは儂にもわからん。ただ、そのままでいれば確実に呂布は死ぬじゃろ」
「………………」
「そしてもう一人のだぁりんは、触媒体質のために無尽蔵に龍脈の力を使える。同じ様に暴走した呂布が相手では、龍脈の力を必要以上に引き出す事になるじゃろうて。じゃが、それをすれば龍脈は更に暴れだし……最後は大陸が割れるか、この星ごとか――」
「恐れていた事が起きてしまいましたか……」
于吉にしてみれば、懸念していた最大要因でもあった。
盾二の特異性――それは、仕込みをする時に見つけたものだった。
一刀にすらない、歪み故に盾二のみに付与された力。
向こうの世界では『イタコ』と呼ばれる死者や霊的エネルギーに直接触れ、それを引き出せる能力だ。
盾二のそれは、龍脈限定という制約がつくが……それ故、いやだからこそ問題でもある。
龍脈の影響の強いこの世界で、その力が発現すればどうなるか……
その暴走だけが、于吉にとって一番の気がかりだった。
「今でこそ儂ら三人お力で抑え込めてはいるがの。お主らとて感じておるじゃろ? 龍脈の胎動が徐々に激しくなっておることに」
「……ええ」
「………………」
「今では『炎蛇』を出さないことで精一杯じゃ。向こうでは噴火に似たような状況になっておろう……貂蝉はそれを止めに行ったのじゃよ」
「……奴にできるのか?」
左慈の言葉に、卑弥呼はにやっと笑った。
「あやつは『漢女』じゃぞ? できるできないではない、やるのじゃ」
「いや、それは全く理解できませんが……」
「……不安だ」
「カッカッカ……奴ならばやるわ。なにしろ……だぁりんが一緒に
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