反董卓の章
第21話 「それで……ぃい……」
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モノ同士、後で殴りあうなり、チチクリあうなり好きにして下さい」
「おい、馬鹿! 気持ちの悪い事を言うな! 想像して力が抜けるだろうが!」
「…………儂、立場ないのう」
情けないことを言いつつも、どこか不敵な笑みを浮かべる卑弥呼。
顔中汗だくになりつつも、口調には少し力が戻っていた。
「……それにしても、三人掛かりでも抑えるのが精一杯とはな。さすがは龍脈、といった処か」
「当たり前ですよ、左慈……この外史に於いて、龍脈とは外史を司るエネルギーそのもの。貴方とて知っているでしょうに」
「ふん……女になった武将の世界。本来であれば力は男に敵うべくもない。それを英雄たらしめるもの――か」
左慈が忌々しく舌打ちする。
于吉はその様子に、ただ苦笑するだけだった。
「それより貂蝉はどこに行ったのです? てっきりここに北郷一刀を守っていたと思ったのですが」
「………………」
「……心配しなくても、力は限定解除です。代わりに制約の呪いが付与されていますから、手を出したくても出せませんよ」
「呪い、か……」
「忌々しい事だがな……バケモノとは言え、奴がいれば龍脈の制御もなんとかなると思うぞ。このままでは抑えるだけで手一杯だ」
左慈の言葉に、卑弥呼は無言で躊躇する素振りを見せる。
だが軽く息を吐くと、その口を開いた。
「まいだぁりんは先ほど目覚めた」
「「 !? 」」
卑弥呼の言葉に、顔色が変わる二人。
「龍脈の力を使っての。だが、その反動でもう一人のまいだぁりんに影響が出ておる。それを解決するために転移していったわ」
「な……くっ! 北郷盾二に、何が起こったのですか!」
「……龍脈の力を取り込み、暴走しておる」
「……っ」
「…………」
卑弥呼の言葉に、二人は押し黙る。
于吉は顔面蒼白となり、左慈は無言で眼を閉じた。
「……お主ら、なにをした?」
「………………」
「………………」
「……言えぬか。まあよいわ。今回の暴走は、儂はともかく貂蝉は薄々気付いておったようじゃ。もう一人のまいだぁりんの中に眠る『資質』。霊媒体質……いや、龍脈限定の触媒体質、というの」
「っ!?」
卑弥呼の言葉に、顔を上げる于吉。
まさかそれがバレていたとは思わなかった。
「この世界はだぁりんが作り、関羽や張飛といった英傑の力を女性に与える元になったもの。それこそが、龍脈の力じゃ。彼女たちは自身の『氣』で強化するだけでなく、龍脈という『世界からの力』を与えられておるからこそ、『英傑』としての力を使える」
「………………」
「数ある分岐世界でも同様じゃ。じゃからこそ彼女らは『英傑』として力を振るい、外史として成立しておる。本来ならば管理された龍脈は安定したシ
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