第一章
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続けていた。
ある日病院に行った。そこでまたあの医者と話をする。話すことは一つだった。己の右腕のこと、それしかなかった。それ意外話すことはなかった。
「順調かな」
「そうですかね」
医者の言葉に対して赤藤は懐疑的な顔だった。
「だといいんですけれど」
「何だ、あまり期待していないみたいだな」
「正直のところ不安です」
率直に己の感情を告げたのだった。
「本当に治るのかどうか」
「治るよ」
彼に対する医者の言葉はしっかりとしたものだった。実に医者らしい言葉だった。
「絶対に。六月には」
「今二月です」
彼の頭の中ではもう月日のことも完全に入っていた。復帰したい、そのことだけが頭の中にある。しかしそれと共に不安も沸き起こって仕方がなかったのだ。
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