銀河動乱
時を超えて
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接、殿下を帝都にお連れせよと厳命されております」
皇帝の至上命令となれば、自己裁量で艦長が動く事は望み得ぬ。
一時帰還の許可を得る為、皇帝と直接対面の他に道は無い。
同意を告げると艦長は艦橋に去り、瞳を閉じると一瞬で意識が失せた。
目を覚ました私は艦橋に乗り込み、宇宙航行技術と操縦方法を観察。
遷移《ワープ》と異なる原理に基き、超光速推進機関の稼働中も星が見える。
残念な事に総ての星座が異なり、現在位置は特定不能。
中央銀河帝国の帝都トランター、銀河王宮に到着する事となった。
ハル・バーレル大佐を伴い離艦の後、足を乗せた銀色の道が勝手に疾走を開始。
総統府を遙かに凌駕する華麗、壮大な虹色水晶《レインボー・クリスタル》の建造物が現れた。
自動走路は勝手に疾走を続け、王宮内部の一角で停止。
扉が開くと獅子《ライオン》を思わせる大男が唸り、鋭い眼光で私を射抜く。
「ズォーダー大帝!
中央銀河帝国の皇帝は、貴方だったのか!?」
驚愕の余り、思わず叫んでしまった。
3人とも呆気に取られた表情を浮かべ、中央の巨漢が代表して口を開く。
「ズォーダー、だと?
艦長、未報告の情報があれば話せ!」
「殿下は潜宙艦《ファンタム》爆発の際、頭部を強打されました。
巡洋艦の医療室でも若干、記憶の混乱が確認されています」
中央銀河帝国の最高権力者《ファイナル・マスター》、アーン・アッバス皇帝が再び唸った。
「厄介な奴だな、後で精密検査を受けろ。
お前の研究は当面、中止だ」
「お言葉ですが銀河系人類の統一、戦乱回避と被害局限の鍵となる情報を掴みかけています。
数日のみ地球に帰還の許可を戴けます様、御再考を願えませんか?」
「お前の口車は聞き飽きた、もう騙されんぞ!
地球への帰還は許さん、絶対に禁止だ!!」
済まぬ、ザース・アーン。
当分の間、精神交換は不可能と思われる。
「もう良い、部屋に戻れ!
月の宴が始まるまでの間に、準備を整えておけ!!」
2人揃って退室の後、スターシャに選ばれし男が肩を敲いた。
「今回の危機≪クライシス≫を乗り越えれば、研究再開の許可は必ず出る。
元気を出せよ、ザース」
第1皇太子ジャル・アーン、古代守の声が響く。
「私の部屋は、何処だったかな。
暫く留守にしていたので、忘れてしまったよ」
精神交換の件を率直に話して良いか、判断に迷う。
廊下で話せる内容ではない、盗聴されている可能性も無視は出来ぬ。
「相談があるから部屋へ来い、と言いたいのか?
今日は無理だが、明日の夜なら時間は取れる。
そうだな、久しぶりに酒でも飲むか?」
ザース・アーン長期不在中、私室は調査されておら
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