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万華鏡の連鎖
銀河動乱
時を超えて
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敗。
 数万年後を経ても塵と化さぬ金属部品を残し、跡形も無く消え失せたが。
 精神交換可能な異種族『偉大なるイース』に倣えば、未来に移動可能。
 私は第二段階の時間移動、次元の壁と時の渦を超える精神交換に挑んだ。


 瞳を開く前に、思考が流れ込んで来た。
 速聴と精神交換装置の原理に基き、瞬速《マイクロ・セコンド》の情報提供が実現。
 一瞬にして銀河系人類の歴史、栄枯盛衰が解説され走馬灯の様に流れ去る。
 今は、星暦20万2125年。
 星暦12万9411年、マゼラン星雲から押し寄せた侵略軍は秘密兵器で殲滅された。

 中央銀河帝国の第2皇太子、ザース・アーンは極秘任務を志願。
 人類統一の為、過去界を探索中であった。
 睡眠学習の原理に基く思考スプール、催眠暗示装置が唸り瞬時に銀河共通語≪インターコスモ≫を修得。
 白髪の老人ヴェル・クェン、共同研究者の温顔が脳裏に映る。

 鏡の中に黒い髪、黒い瞳、鷲鼻の青年を見た私は絶句。
 古代進が何故、星暦20万年の未来に居るのだ?
「あの船は、何だ?
 此処への接近は、禁止されている筈なのに!!」

 切迫した声が響き、現実に意識を戻す。
 大気を裂き、一直線に黒い艦が降下。
 飛翔装置を操り、十数名が接近。
 立体映像装置≪テレ・ステレオ≫の操作、連絡を試みる高齢の科学者を撃つ。
 白髪の老師を緑色の閃光が包み、消失《ホワイト・アウト》。

「ザース・アーン殿下、御同行を願います!」
 私に擬した銃口から、緑色の陽炎が漂う。
 此の状況で抵抗は無益、自殺行為に他ならぬ。
 第1に成すべき事は、閉じ込められる場所の状況を掴む事であろう。

「私に、無粋な物は不要だ。
 何処に行けば、良いのだね?」
 予想通り、黒い艦に誘導。
 歩き出した途端、絶叫が響いた。

「馬鹿な!?
 帝国の艦だ!」
 3隻の艦首に彗星の紋章《マーク》が煌き、黒い艦が爆発。
 強烈な衝撃に薙ぎ倒され、私を含む全員が意識を喪った。



 意識が戻ると、赤色人≪レッド・マン≫が居た。
 此処は剣の王国、異次元の火星≪バルスーム≫か?
「自分は帝国宇宙軍シリウス管区パトロール隊所属、ハル・バーレル大佐であります!
 予定外の停止により潜宙艦《ファンタム》を探知、撃破致しました。
 帝都トランター到着まで、艦長室を御使用いただければ光栄です」

 最後の一言で、一気に眼が覚めた。
「トランター直行は許さん、地球に戻れ!」
 精神交換装置は地球、ヒマラヤ山脈の研究所以外に存在しない。
 ヴェル・クェン殺害を過去界の第二皇太子《セカンド・マスター》、ザース・アーンに知らせねばならぬ。

「殿下、申し訳ありません。
 私は皇帝陛下から直
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