銀河動乱
時を超えて
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
敗。
数万年後を経ても塵と化さぬ金属部品を残し、跡形も無く消え失せたが。
精神交換可能な異種族『偉大なるイース』に倣えば、未来に移動可能。
私は第二段階の時間移動、次元の壁と時の渦を超える精神交換に挑んだ。
瞳を開く前に、思考が流れ込んで来た。
速聴と精神交換装置の原理に基き、瞬速《マイクロ・セコンド》の情報提供が実現。
一瞬にして銀河系人類の歴史、栄枯盛衰が解説され走馬灯の様に流れ去る。
今は、星暦20万2125年。
星暦12万9411年、マゼラン星雲から押し寄せた侵略軍は秘密兵器で殲滅された。
中央銀河帝国の第2皇太子、ザース・アーンは極秘任務を志願。
人類統一の為、過去界を探索中であった。
睡眠学習の原理に基く思考スプール、催眠暗示装置が唸り瞬時に銀河共通語≪インターコスモ≫を修得。
白髪の老人ヴェル・クェン、共同研究者の温顔が脳裏に映る。
鏡の中に黒い髪、黒い瞳、鷲鼻の青年を見た私は絶句。
古代進が何故、星暦20万年の未来に居るのだ?
「あの船は、何だ?
此処への接近は、禁止されている筈なのに!!」
切迫した声が響き、現実に意識を戻す。
大気を裂き、一直線に黒い艦が降下。
飛翔装置を操り、十数名が接近。
立体映像装置≪テレ・ステレオ≫の操作、連絡を試みる高齢の科学者を撃つ。
白髪の老師を緑色の閃光が包み、消失《ホワイト・アウト》。
「ザース・アーン殿下、御同行を願います!」
私に擬した銃口から、緑色の陽炎が漂う。
此の状況で抵抗は無益、自殺行為に他ならぬ。
第1に成すべき事は、閉じ込められる場所の状況を掴む事であろう。
「私に、無粋な物は不要だ。
何処に行けば、良いのだね?」
予想通り、黒い艦に誘導。
歩き出した途端、絶叫が響いた。
「馬鹿な!?
帝国の艦だ!」
3隻の艦首に彗星の紋章《マーク》が煌き、黒い艦が爆発。
強烈な衝撃に薙ぎ倒され、私を含む全員が意識を喪った。
意識が戻ると、赤色人≪レッド・マン≫が居た。
此処は剣の王国、異次元の火星≪バルスーム≫か?
「自分は帝国宇宙軍シリウス管区パトロール隊所属、ハル・バーレル大佐であります!
予定外の停止により潜宙艦《ファンタム》を探知、撃破致しました。
帝都トランター到着まで、艦長室を御使用いただければ光栄です」
最後の一言で、一気に眼が覚めた。
「トランター直行は許さん、地球に戻れ!」
精神交換装置は地球、ヒマラヤ山脈の研究所以外に存在しない。
ヴェル・クェン殺害を過去界の第二皇太子《セカンド・マスター》、ザース・アーンに知らせねばならぬ。
「殿下、申し訳ありません。
私は皇帝陛下から直
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ