暁 〜小説投稿サイト〜
少年少女の戦極時代
第38話 光実の役得
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
が“僕”でいられる大事な時間なんです。それを守るためだから、疲れくらいへっちゃらです」
「ミッチ……」

 舞は痛ましげに目を伏せた。
 光実は少しだけ悲しかった。舞にそんな顔をさせたいわけではないのに。光実はいつも空回ってしまう。

 どうすれば舞の困り顔を解けるか悩んでいると、舞のほうが先に動いた。
 舞はいつも腰に結んであるチームユニフォームのパーカーをほどき、光実の肩にかけたのだ。

「ここんとこ寒くなってきたでしょ。ここ、暖房の効き悪いから、あんまり棍詰めちゃだめだよ」

 舞は光実ににこりと笑い、ガレージを出て行った。

(普通逆なんだけどな)

 光実はパーカーの袂を掻き寄せ、布地に擦り寄った。まだ彼女の体温が残っていた。



「あったかいなあ――」
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ