第38話 光実の役得
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が“僕”でいられる大事な時間なんです。それを守るためだから、疲れくらいへっちゃらです」
「ミッチ……」
舞は痛ましげに目を伏せた。
光実は少しだけ悲しかった。舞にそんな顔をさせたいわけではないのに。光実はいつも空回ってしまう。
どうすれば舞の困り顔を解けるか悩んでいると、舞のほうが先に動いた。
舞はいつも腰に結んであるチームユニフォームのパーカーをほどき、光実の肩にかけたのだ。
「ここんとこ寒くなってきたでしょ。ここ、暖房の効き悪いから、あんまり棍詰めちゃだめだよ」
舞は光実ににこりと笑い、ガレージを出て行った。
(普通逆なんだけどな)
光実はパーカーの袂を掻き寄せ、布地に擦り寄った。まだ彼女の体温が残っていた。
「あったかいなあ――」
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