第五章 StrikerS編
第百四十八話 『公開意見陳述会(6) レンの心の傷、癒しなす乙女』
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
振り上げている手には長物が握られていた。
その得物とは…。
「…あれは、方天戟?」
私が解析を即座にかけている間にもその方天戟の刃は先頭でアエスを構えているネロへと迫る。
そして方天戟とアエスが衝突する。
ガァンッ!と激しい音が響き渡り、
「ぬっ!」
ネロの少しくぐもった声が洩れる。
「オッ? 受け止めたか」
「少し重いが、余はまだまだ余裕だぞ!」
「なら、どんどん行かせてもらうぜ!」
それからフードの女性は身長以上はある方天戟を難なく振り回し、斬りつけ、刺突、薙ぎ、払いと変幻自在に攻撃を変えまくってネロを追い込む。
「ぐっ! なかなかやりおる!」
「ネロ! 援護します!」
アルトリアがすぐにネロ一人では分が悪いと踏んだのか横から風王結界を振り下ろす。
だが、フードの女性はニヤリと八重歯を覗かせて、
「一人だろうと二人だろうとオレの相手じゃねーよ! おらぁー!!」
方天戟を横に構えて盛大に薙ぎ払いを繰り出した。
その薙ぎ払いはすぐに衝撃波となって襲いかかってくる。
それに晒されたネロとアルトリアは、
「くっ! やはり、この女性はサーヴァントか!?」
「どうにもアエスでは荷が重いかもしれんな!」
《そ、そんな〜!?》
なんとか剣を盾にして持ちこたえていた。
そして攻撃が一時止んだ瞬間、アルトリアとネロは見計らっていたかのように同時に私達の方へと振り向いて、
「シホ、スバル、ティアナ! 私とネロがこの場は食い止めておきます!」
「後は余達に任せてラン達を助けにいくのだ!」
アルトリアとネロがそう言ってきた。
「あ、アルトリアさん!」
「ネロさん…!」
スバルとティアナが同時に二人の名前を叫んで心配の表情をする。
でも私は、
「…行くわよ、二人とも」
即座に二人を信じてこの場を任せる決断をした。
だけどスバルとティアナはすぐに納得できなかったのか私の方に顔を向ける。
「…ぁ」
しかし、ティアナから洩れた声に今、私がどんな顔をしているのか理解してしまった。
きっと今の私はかなり苦悶の表情をしているのだろう、そして二人は無言になった。
「…行くわ!」
「「はい…」」
二人は力なく返事をしてきた。
そして私は再びティアナを抱えて、スバルとともに進みを開始する。
わざと見逃してくれているのか知らないけど、こちらにはフードの女性は一切攻撃をしてこなかった。
アルトリア、ネロ…私達が戻るまで無事でいてね!
そう心の中で語りかけた。
二人も私の想いが伝わったのか、二人とも笑みを浮かべてコクリと頷きをして送り出してくれた。
二人の想いに感謝しながらも、
「急ぐわよ!」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ