第二章 [ 神 鳴 ]
三十話 次代へ…
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僕は今、戦の爪痕を残す戦場跡に来ている。別に感傷に浸りに来た訳ではなく、少しやる事がある為一人で此処に訪れていた。あちこちに残る戦の残照に視線を泳がせながら目的地を目指す。
辿り着いた場所は他の場所とは違い明らかに異質な光景だった。黒い霧が漂い、木々は枯れ果て、土は腐り、生物が居ないどころか生命力を一切感じない。“死の大地”こんな言葉が良く似合う、いやそうとしか言い表せないそんな光景。
諏訪子の祟りで汚染された場所。しかも荒御霊の状態での祟りだから僕が夢で見たものより濃密な祟りだろう。あれで祟りが消えるまでかかった時間がたぶん二百年程だったから、これが自然に消えるのを待てば五百年は必要だろうな。
そんな事を考えながら死の大地を進んで行く。本来なら霧の様に漂っている祟りに当てられそうだが強欲で一度取り込んだからか全く問題が無い、免疫でも出来たかな。
暫く進み足を止める、丁度此処辺りが祟りの中心地の筈だ。そして僕は一言、
「強欲」
右手に現れた刀を逆手に持ち替えそのまま地面に突き立てる。此処に来た目的は祟りの除去。荒御霊の諏訪子と対峙した時強欲が有効だったからもしかしたら大地に染込んだ祟りも略奪出来るのではないかと思い立ち試しに来たのだ。
今の状況なら大地の生命力より祟りの力の方が強いから祟りだけを吸い上げる事が出来る、と思っているが確証は無い。まぁ元手はタダだから失敗しても問題は無いのだけど。
強欲を通じて伝わってくるのはあの時と同じ感覚だがあの時とは違い気持ち悪さは感じない。
予想以上に凄まじい勢いで強欲が祟りを吸い上げていく中ふと考えてしまう、今更だけど祟りって取り込んでも大丈夫なのかな、今の所身体に変調はないけど…まぁいいか。その時はその時だ。
使用時間を迎えた強欲が音を立てて砕けた時には周囲を漂っていた黒い霧も無くなり祟りの気配もほとんど消失していた。どうやら予想以上に上手くいったらしい。あとは諏訪子に頼んで能力を使ってもらえば元通りになる。
やる事もやったしさぁ帰ろう、とした時少し離れた場所に神奈子の神力を感じた。どうしたんだろうか、何かあったのかな、と気になった僕は気配のある場所を目指す事にした。
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■
辿り着いた場所は大和の陣が敷かれていた所だった。そこに神奈子は一人腰を下ろし戦場になっていた一帯を見ていたが僕が来た気配を感じたのかこちらに視線を向けた。
「なんだ虚空か。どうしたんだいこんな所」
少し笑みを浮かべながら現れた僕にそう問いかけてくる神奈子。
「僕はちょっと野暮用だよ。そう言
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