第二章 [ 神 鳴 ]
三十話 次代へ…
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からだし、置いてある家具をもう一度良く見てみれば嫁入り道具だし、男衆の視線の正体は嫉妬の眼差しだった訳か!そんな風に笑う僕を見て諏訪子達三人の矛先が此方に向いた。
「笑ってる場合じゃないでしょう!どうすんのさ!」
「すぐに誤解を解きに行かないといけないね!ほら行くよ!」
「私母親なんていらない!」
今度は僕が三人に詰め寄られ次々に言葉を投げつけられるが僕はそんな三人に冷静に言葉を返した。
「落ち着きなよ、夜に町の皆が宴を開いてくれるって言ってたよね?誤解を解きたければその時でいいじゃないか。それにもしもの時は大丈夫だよ、それ位の甲斐性はあるつもりだから」
僕がそう言うとルーミアがからかう様に、
「あら流石、神を二股にかける奴は言う事が違うわね」
「何?ルーミアヤキモチ?大丈夫だよ、僕は来る者拒まずだから!ルーミアも入れて三股だって…ごめんなさいルーミアさん図に乗りました謝りますから首筋に刃を当てないで、って痛い痛い刺さってるッ!刺さってるッ!」
その後も諏訪大社の境内は大騒ぎだった。
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■
太陽も沈み暗闇が大地を支配する頃、諏訪の都の広場はそんな暗闇を退けるように明るく騒がしかった。少し前に始まった宴は既にドンチャン騒ぎに変わり町の住人達は好き勝手に楽しんでいた。まぁ最初に僕が無礼講、と言ったからだけど。
諏訪子と神奈子は住人達に広まった結婚話の誤解を解く為にあっちこっち動き回っていたが、今ではすっかり酒が回りドンチャン騒ぎの一員と化していた。
紫は早々に早希に捕まり未だに離して貰えない様だまぁあの子もまだ早希を気遣って甘えさせているのかもしれない。
僕はというとちょっとした理由でルーミアを探していて漸く見つけた所だ。ルーミアはボロボロになった赤いリボンを見ながら溜息を吐いていた。あれは確か女の子から貰ったあのリボンかな、そういえば戦の時に付けたままだった気がする。ルーミアは僕が近付いてきた事に気付き視線を送ってきた。
「なんだあんたか、何か用かしら?」
「まぁ用はあるんだけど…良かったらそのリボン修繕してあげようか?」
僕がそう言うとルーミアは弾かれる様に僕に詰め寄ってくる。
「直せるの!本当に!」
「直せるよ、何なら丈夫にする事もできるし」
「じゃぁお願いするわ!頼んだわよ!」
本当に普段からは考えられない位素直に僕を頼ってきたな、それだけ大切な物になったんだろうな。身に付けている事を忘れて戦に出向く位に。これを本人に言ったら殺されそうだ。
僕はルーミアからリボンを受け取るとそれを懐に仕舞いこっちの本題を切り出す。丁度いい交渉材料も手
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