Countdown to Zero
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らずに清算される。それは、決して彼らと対等の関係になる事は意味しない。その優しさを仰ぎ、涙し、そして自分のやった事に永遠と罪悪感を抱き続けるほかない。
――ああ、苦しい。――
――こんなに苦しいと思ったのは、いつぶりだろうか――
――ああそうだ。切嗣に正体がばれたときだ――
そうだった。あの時は辛かったな。でも、嬉しくもあった。
――目に涙を浮かべ、同じように泣いて、悲しんで、抱きしめてくれた……あの感覚が忘れられない――
同情とは違う、人の境遇を本当に悲しんで、同じ目線で泣いく。そんな類の優しさだからこそ、彼女は歩けた。だが……
不意に、誰かがシャルロットを抱きしめた。
「ラウラ……」
身長が足りなくて、胸のあたりで腕が回ってしまうような抱擁だが、それは以前彼の胸で泣いたとき抱きしめられた感覚に似ていた。
「奴なら……衛宮ならこうするだろうと思ってな」
恥ずかしそうに頬を赤らめながら喋るラウラだが、その腕は固く結ばれていた。
「なんで、そんな……」
「私の想いを酌んでくれたのは、衛宮だったからな」
それと教官、と付け加える。
「もう、今日は休め。話はまた明日でいいだろう」
そう言うと、シャルロットの背中を押し、ラウラたちはその場を後にした。そして、一方の一夏達はというと、少しへこんでいた。
「なあ、これどうする?」
鍋いっぱいのキムチミートソースを前に……
その時、部屋の扉が再び開いた。ただし、入って来たのはラウラたちでは無かった。
「ヤッホー。無敵の生徒会長様だよー……って、なにこのバイオ兵器!?」
「会長。威厳が崩れています」
入って来たのは、この学園の生徒会長こと更識楯無と布仏虚だった。だったのだが……物体X(made by セシリア)をみて完全にドン引いていた。
「そ、そんな……私の料理が、バイオ、兵器……」
運命の悪戯かなにか良く知らないが、取り敢えず自分が作った料理がバイオ兵器扱いされて嬉しい女子は居ないだろう。御多分にもれずセシリアも泣き崩れていた。しかし、そんな彼女を放っておけるほど一夏は非道では無かった。
「おい、あんた!」
「ん?何かな?」
余裕の笑顔で応える楯無の視線の先には怒りで肩を震わせる一夏がいた。
「幾らセシリアの料理が常に変色し続ける神代の魔女もびっくりの薬品だとしてもだ!一口も食べずにそれをバイオ兵器だとか腐った海魔だとかこの世全ての悪だとか言うんじゃない!」
「いや、誰もそこまで……」
「あまつさえそれを本人の前で言うなんて……幾らなんでも非道が過ぎるだろう!」
「おいこら。ばっちり本人に言ってるじゃない」
へっ?と振り返った先に居たのは、気を失ったセシリアだった。
「……。…………………。
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