Countdown to Zero
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りだ……」
「敵対していた私が言うのもなんだが、流石に同情するぞ……」
因みにラウラの一件でもひと悶着あったのだが、それはまたの機会に語ろう。
「一夏さん、申し訳ありませんでした……チェルシーに「厨房に立つな」と厳命されていたのを忘れていましたわ……」
流石に一夏の顔色が七変化したことに負い目があったのか、本当に申し訳なさそうにセシリアが謝った。
「い、いや。中々個性的な味、でしたよ?」
「ではもう一皿……」
「やめてくださいしんでしまいます」
「即答ですの!?そんなに不味かったのかしら……」
「いや、もうキムチはいいから……取り敢えず話を戻すわよ」
もうほとんど投げやりに近い感じで鈴音が場の空気を戻そうとする。と言っても、もう誰もシャルロットの正体についてあまり驚いていなかったのだが。
「えーと、改めて。シャルロットは実は女の子だったんだ。わー、驚いたなー」
「ホントダナ。マッタクヨソウガツカナカッタゾ」
「うん。あんたらあからさま過ぎ……と言っても、仕方ないか」
はあ、とため息を一つつくと徐に鈴音はシャルロットに向き直った。
「まあ、という訳でシャルル……じゃない、シャルロットは今回のことはあんまり気にしなくていいわよ」
「え……ああ、うん」
「それより!」
なんとも締らない場であるが、ラウラが思い切ったように声を上げた。
「そもそもお前は女だったのか?なぜそんな事を……か、勘違いするな!別に責めている訳では……」
それは彼女だけでは無く、この場に居るシャルロットを除いた人間全員の疑問だった。そして、ある意味に於いて、その答えの導く結末はシャルロットの核心に最も近い所にあった。
――僕は、僕の今までを受け入れられるのだろうか――
いや、受け入れていいのだろうか。受け入れることを許されるのだろうか。関わって来た全ての人間を裏切り続けてきた自分は、果たして、許されるべき人間なのか。父親に強制されて仕方なくやった、と言えば、恐らく一夏達は納得し彼女を許すだろう。その後で笑って受け入れてくれるだろう。彼は、彼女たちはそういう類の人間だ。
だが、その優しさは決して彼女を救わない。その優しさは、シャルロットが彼女自身を傷つけることになる。どんな理由があったにせよ、そんな優しい人たちを騙し続けていたのは彼女である事には他ならない。仮に一夏たちがもっと残酷な類な人間ならこうも苦しまなかっただろう。詰られて、それで終わりだ。しかし、現実は都合よく残酷であってはくれない。そこから始まっていくのだ。
「僕の父親にはね、奥さんが何人かいたんだ……その内の一人が僕の母親だったんだ」
話している最中も、シャルロットの内心は穏やかでは無かった。全てを語った時、彼女の罪は彼女の意思に関わ
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