第五十二話 文化祭のはじまりその十二
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「人は首撥ねられたら絶対に死ぬから」
「その首が喋ったりするとな」
「怖くない筈ないよな」
「処刑された生首でもな」
「そうなったらな」
「そうそう、それにしてもうちのクラスのメイクって凄いわね」
雪女は生首達を見てしみじみと思った。
「あんた達多分私達以上よ」
「怖いっていうんだな」
「化け猫や雪女以上に」
「本当に死んだ様に見えるから」
そのメイクで、だというのだ。
「だからね」
「それでか」
「ええ、それで喋ったり動いたり叫んだら」
それこそ、というのだ。
「夢に出るわよ」
「そうか、それはいいな」
「じゃあもっと驚かせてやるか」
生首達も雪女の言葉に余計に活気付く、そしてだった。
首だけでも身構えてだ、にやりと笑って言うのだった。
「じゃあまたお客さん来たらな」
「その時はな」
「やるのね」
「ああ、叫んでやるぜ」
「驚かせてやるか」
こう言うのだった、そして。
そのお客さんが来てだ、まずは琴乃と雪女がだった。
お客さん達を驚かせる、そうして生首達のところに追いやって。
そこでだ、その彼等がだった。
叫ぶ、そして凄い顔になる。それでだった。
お客さん達はコースをすっ飛んで逃げる、そこに幽霊だの何だのがさらに来て余計に怖がる。その彼等を見てだった。
琴乃もだ、満足そうに言うのだった。
「冥利に尽きるわね」
「ええ、あそこまで驚いてくれたらね」
それならとだ、雪女の娘も応える。
「嬉しいわ」
「そうよね、けれどこのお化け屋敷って」
「傍目で見てもね」
「滅茶苦茶怖いみたいね」
「そうよね」
こう話すのだった、二人で。
「だからあそこまで驚くのね」
「それも皆がね」
「メイクも小道具も凄いし」
「看板自体が」
最早このクラスの代名詞にもなっているあの看板もだというのだ。
「凄いわよね」
「あんた本当にあの看板のこといつも言うわね」
雪女の娘は琴乃に対して言う。
「そこまで気になるのね」
「だってね、インパクトがあるから」
「今は特にね」
「人造人間の将軍様がね」
只でさえインパクトがあるモデルであるのに、というのだ。
「頭から血を流して死んだ顔になってるじゃない」
「あれも凝ってるわよね」
「あれでまず気を引くから」
「インパクトでね」
「世の中インパクトなのね」
「だってあの将軍様の国が有名なのも」
雪女の娘はその理由も話す、確かにそいじょそこいらの国よりは遥かにインパクトのある国であることは間違いない。
「あれでしょ」
「インパクトがあるからよね」
「あの変な軍服も行進も」
外国人である日本人ですら皆知っている行進だ、足を曲げず高々と掲げての行進だ。膝にはかなり悪いだろう。
「目
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