第壱話
[2]次話
「ん・・・ここはどこや?」
腹に伝わる冷たい感触でベルベルは目を醒ました。どうやら台に四股を拘束させられているようだ。
「あ…、もう気がついたか……?」
謎の男と二人は目が合い、謎の男は作業を続けながら不気味な笑みをベルベルに見せた。
しかし、謎の男は何を語りかけるでもなく、再びベルベルの腹に視線を移し作業に専念した。
なにやら刷毛を使って何かの液体を塗り続けている。
冷たく、そして滑りが強い液体であることは感触から理解できた。
また、感覚から判断して、腹と言うにはあまりにも範囲が狭かったのも気になり、ベルベルはふと頭を下げて見下ろした。
ベルベルは驚き、大声で謎の男に問い質す。
「ちょ…ちょっとぉ!何してんねんアンタぁぁ!人のおなかに何してんねん!やめてや!やめてやぁ!」
謎の男は聞こえないふりをしてベルベルの腹に刷毛を這わる。
刷毛というよりも、筆といったところか。謎の男が手にしていたものはそれほど細く、長かった。
それに何かの液体を含ませて、腹、とりわけヘソを重点的に塗りつけていたのだ。
無論、自分のヘソに何を塗られているのか分からず、液体の冷たさと滑り、そしてヘソを這う筆の感触にベルベルは全身に鳥肌を立てた。
「くふっ……一体、何を考えているんや……」
「今に分かる」
謎の男が答えてすぐ、下腹部にチクリと刺すような痛みを感じた。ベルベルは首を傾げるも、すぐに異変に気づかされる事となった。
最初は針で刺す程度だった痛みが、じわじわと浸食するように広がり始める。更に、心なしか腹部に異物感を感じた。
戸惑いを隠しきれず、腹部に視線を落とす。
ベルベルの瞳は驚愕に見開かれた。
「な、……これは……!?」
原因は、腹部の中心よりも下に位置する窪み――所謂″臍″にあった。
本来はただの窄まった窪みでしかないそこがスライム状となった謎の男の手によって押し広げられ、直径1センチ程の穴を開けていた。
強制的に入り口にされてしまったベルベルの臍から、謎の男の腕が入り込んでいるのだ。
その事に気づいたベルベルは顔を青くして叫んだ。
「な、何を考えてっ……や、やめてやっ!!」
けれど謎の男の腕は止まらない。それどころか更に侵入を進め、ベルベルの腹部を内側から圧迫し始めている。
冷や汗が吹き出し、膝が震えた。
腹の中で再び蠢く腕はより深く、より強烈に腹膜を抉った。
「ぐ、あっがああああああっ!!あ゛ぎぃぃあああぁあああッ!!」
出入りしていた腕がその質量を増して臍を更に押し広げ、腹膜に強烈なブローをキメたのだ。
ベルベルは気絶してしまった。
[2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ