序章
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教室に入るとクラスのぎこちない感じがひしひしと伝わってきた。
出席番号順で黒板に張り出された席順を確認し、席に座った。
しばらくすると教室に先ほど会談でぶつかった2人が入ってきた。
白菊に一人が気づき、小走りでやってきた。
「さっきはぶつかってごめんな!俺、三浦祐樹だ!よろしくな白菊!」
白菊は目も合わそうとしなかった。
無視したのか、それとも本当に三浦の存在に気づきてないのかはまるで分らなかった。
すると、白菊の席の3つ後ろの席に座っていた男が三浦を呼んで手招きした。
三浦は不思議そうな顔をしてそちらへ向かった。
「あいつ、白菊とお友達になるのはムリだぜ、あいつと同じ中学で3年間一緒だったけど、あいつが誰かと話してるの見たことねえよ」
三浦は笑顔になった。
「でもこれからはわかんないだろ?」
「はあ?…まあ頑張れよ」
半分投げやりになった男に全く気にする様子もなく三浦は「おう!」と拳を掲げた。
ホームルームが始まった。
年季の入った担任がたまに笑えないギャグを交えながら、てきぱきとホームルームを進めていく。
そして、入学式おなじみの自己紹介が始まった。
一番前から緊張した面持ちで自己紹介を始めた。
白菊は名前だけ言ってさっさと座った。
それから
「西島春馬です、趣味は読書です、どうぞよろしくお願いします」
いかにもさわやかな青年が軽く頭を下げると、かすかに女子がざわついた。
「三浦祐樹!好きな奴は友達を大事にするやつ!嫌いな奴は友達を大事にしないやつだ!よろしくう!!」
一瞬クラス全体が固まったが、少し躊躇の混ざった拍手が鳴った。
「えー、ではつぎ―――」
少し困った様子の担任がしゃべり始めた時だった。
突然教室が、よく揺さぶるように多く揺れ始めた。
視界が大きくぶれ、椅子に座っているのがつらいくらい大きく揺れている。
「ちょ、なに!?」
女子が騒ぎはじめ、しだいに男も騒ぎ始めた。
「み、みなさん!机の、したに入ってください!」
指示が聞こえた前の席の人は机の下にもぐったが、後ろの指示が聞こえなかった人はただ机につかまっていた。
白菊も指示が聞こえないふりをしてただ座っていた。
(ながいな…)
白菊がそう思った時だった。
ドオオン!!
窓側からまばゆい光が教室に差し込んだと同時に大きな衝撃が来た。
何かが落ちたような感覚だった。
そして、その衝撃で窓ガラスが一気にはじけるように割れた。
「きゃあああ!」
窓側にいた生徒たちに確実に刺さる。
それぐらい尋常ではなかった。
割れた破片が生徒に刺さる―――しかし、そうはならなかった。
破片が空中で止まったのだ。
まるで時
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