暁 〜小説投稿サイト〜
魔法科高校の神童生
Episode21:Project of color
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誘拐された被害者であるほのかには酷だが、頬を軽めに叩く。呼びかけながら数回叩いたところで、ほのかはうっすらと目を開けた。

「ん…九十九、さん…?」

「うん、助けに来たよ」

弱々しいほのかの声に顔を僅かに顰めたが、すぐに表情を引き締めて隼人は周囲を見回した。

「…雫は?」

隼人の質問に、ほのかの顔がハッとしたものとなる。

「あ、そうでした!雫は、この組織のリーダーのような女の人にこの奥の扉から繋がってる地下室に連れて行かれてしまったんです!」

「…地下室か、わかった。ほのか、今から俺は地下室に向かう。もう少ししたら達也と深雪が来てくれるはずだから、それまでここで待っててくれる?」

立ち上がりそう言った隼人は、頷くほのかを見て満足そうに微笑んだ。

「じゃあ、行ってくるね」

そう言った隼人の顔からは、既に笑みは消えていた。


















男の開けた穴によって一階まで落とされてしまった達也と深雪は現在、どこから出て来たのか、更に現れた十字の道化師(クロスズ・ピエロ)の組員と戦闘を行っていた。
深雪が凍結魔法で足元を凍らせて身動きを封じ、達也が分解魔法で確実に殺して行く。時には氷の礫を作り出し相手にぶつけたり、シャープな動きで敵を蹴り飛ばす。
相変わらずその二人に傷は与えられていないが、確かな焦りが二人にはあった。

(さっきの爆発から大分経ったが、あれからなんの物音もしない…隼人になにかあったのか?)

襲いかかってくる組員に左拳を叩き込んで吹き飛ばし、頭上を薙ぐように振るわれたライフルを屈んで躱して足を払う。倒れこんだ組員の男の体を踏み台にして、達也は次の標的に急接近した。慌ててライフルの引き金を引くのを懐に入り込んで避け、腹部に掌底を叩き込む。

「お兄様!」

「っ!」

深雪の声が聞こえてきて、達也は上体を倒した。頭の上を重厚ななにかが風を孕んで通過するのを待って、達也は地面を転がった。

「…バスターソードか、また古典的な…」

立ち上がり正面を向いた達也は呆れた目を先ほどの男に向けた。

「ふん…敵を殺せるのなら武器なんてなんでもいい。丁度、私の戦い方に合っていたのがコイツだっただけだ」

そう憮然と返し、男は長大な刀を肩に乗せた。

「コイツの相手は俺がやる。深雪は周りの雑魚の一掃を頼む」

背後から頷く気配がして、達也は意識を男に向けた。

「お兄様、気をつけて」

「ああ、深雪もな」

男が達也に向けて突進を始めたのと同時に、二人もそれぞれの方向へ駆け出した。

「ぬぅん!」

気合いの乗った声、直後に襲いかかる巨大な刃。達也はそれを左へ飛んで躱した。ぶつける対
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