第2章 赤龍帝と不死鳥の騎士団
第15話 ウェディングベルは不死鳥とともに
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った。おそらく、グレモリー眷属も同様に思っているだろう。
堕天使の保護下で、窮屈で先の見えない生活を強いられていた。
何かに利用されるとは分かっていても、どうすることもできずに怯える生活。
そんな生活から抜け出すことができない、弱い自分自身が悔しかった。
そんなときだった。
『おや?お嬢さん。日本は初めてなのかい?――』
――――「八神はやて」という少女に出会ったのは。彼女は、唐突にアーシア・アルジェントを遊びに誘った。
『――よし、だいぶマシな顔になったかな』
――――はやてからは、いろいろなことを教えてもらった。心からの心配は、アーシア・アルジェントにとって、初めてだったかもしれない。
『沈んでいた理由を聞かせてもらってもいいかい?』
――――だから、巻き込むわけには行けないと思った。巻き込みたくないと祈った。お礼をいって、そのまま別れようとした。もう二度と会うことはないだろう、と確信しながら。
ところが、彼女は、付き添いの堕天使まで巻き込んで、再会の約束をしてしまった。
彼女の身を危険にさらしたくなかったアーシア・アルジェントは、反対したが、巧みな話術で、押し切られてしまう。
その後の数日は、彼女にとってかけがえのない幸せな日々だった。
毎日のように、遊びに誘われ。毎日のように、遊んでまわる。
特別なことは、何一つなかった。が、彼女にとっては、そんなあたりまえが、何よりも「特別」だった。
そんな日々が続いたある日のこと。別れ際に彼女はいったのだ。
『――ごめん。明日は、用事があるのだ。ちょっと、お姫様を救うことになってね』
いたずらっぽく微笑む彼女に、「そうですか」と、少し悲しそうに返事をしたような気がする。いや、実際、悲しかったのかもしれないが、余り覚えていない。
なぜならば、別れの寂しさを吹き飛ばすような出来事が、次の日の夜にあったのだから。
(あのときは、本当に驚きました)
彼女が持つ神器、『聖女の微笑み』を移植する。と、堕天使に言われた時。
もはや、自分は死ぬのだと、諦観していた。
そのまま、気を失い――――
――――気づいたら、助け出されていた
その後、あれよあれよと言う間に、転生悪魔となり、平和な日常を手に入れた。
だから、アーシア・アルジェントは、はやてと一緒に、楽しい日常を過ごせるとばかり思っていた。
だが、当のはやてが、急に余所よそしい態度に、なってしまった。
彼女に尋ねても、
『まずは、グレモリー眷属と仲良くなってほしい。という、ボクなりの誠意の表れだよ』
と、いつもはぐらかされてしまった。
アーシア・アルジェントの救出作戦
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