第2章 赤龍帝と不死鳥の騎士団
第15話 ウェディングベルは不死鳥とともに
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大丈夫だろう。
「彼女はなかなか勉強熱心でね。会話は、とても流暢にこなせる。ただ、読み書きは苦手なようだ。できれば、面倒をみてやってほしい。とても、素直で優しい子なんだよ」
と、苦笑しつつも釘をさしておく。
まあ、会話ができるのは、悪魔がもつ翻訳能力おかげなのだがね。
本当に便利な能力である。
ちなみに、読み書きは、「もう少し頑張りましょう」といったところだ。
◆
アーシア・アルジェントが、学園に通い始めて、数日が経った。
外国人――それも美少女――ということで、クラスメイトは、距離を測りかねていた。
しかし、流暢な日本語で会話できる(能力がある)ことが分かると、予想よりも早くに打ち解けていった。
同じ二年生である八神はやてや兵藤一誠、木場祐斗が何かと世話をしていたというのもある。
しかしながら、彼女の性格が一番の理由だろう。
控え目で優しい性格でありながら、どこか放っておけない雰囲気をしている。
――そんな彼女は、クラスのマスコット的な存在となっていた。
学校に慣れるためという名目でオカルト研に入り、彼女は、毎日のように部室に入り浸っていた。
そんな彼女と一緒に、残る二年生の3人――八神はやて、木場祐斗、兵藤一誠――は、部室へと向かう毎日だった。
転生悪魔として、必要な知識を得るためであったが、読み書きを練習して学校に慣れる意味もあった。
しかし、とくに彼女が力をいれていたのは、神器を使いこなすことだった。
悪魔となっても彼女の本質は変わらない。
『よりたくさんの人が病苦から助かりますように』
祈ると痛みが伴うようになってしまったが、信仰の拠り所である神を否定することはできないらしい。
――――祈り、癒す。
つまるところ、この一言に彼女の本質は集約されるといってよい。
より大勢を救おうと、日夜努力しているのだった。
そんな生活が二週間ほど続き、今日も旧校舎にある部室へと向かう
最近、彼女には、困っている――というよりは、困惑しているできごとがある。
それは――
(はやてさんは、どうして私と距離を置くようになったのでしょうか)
――八神はやてについてである。
アーシア・アルジェントは、彼女に深く感謝している。
ひょっとすると、現在、仲間として家族のように接してくれているグレモリー眷属の人たちよりも。
恩を感じているし、何かお礼をしたいとも思っている。
はやての助けになるのだったら、どんなことでもしてあげたいとまで、強く願っていた。
――――アーシア・アルジェントは、八神はやてに救われた
それが、彼女の認識だ
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