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第三十六話 好敵手
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ですね、でも負けるつもりはありませんよ。こちらには簪さんもついていますしね』
『そうね……簪ちゃん。いろいろ話したいことはあるけど……まずは全力で戦いましょ』
簪さんは言葉を発することなく、ただ頷く。やはりその表情はまだ固いけれど無理もない。今まで目標としていた相手が今目の前にいるのだから。
『なんだか蚊帳の外みたいですけど、僕だって西園寺さん達と戦うのは楽しみだったんですよ』
『ふふ、それは光栄です。お互い悔いの残らない試合にしましょうね』
ちょっといじけた様子のデュノアさん。でもそれは冗談だとわかっているので僕も笑顔で返す。
そんなやり取りをしているうちに、試合開始の時間となる。
カウントが進み、0になった瞬間に全員が動き出す。
『はぁっ』
僕は先ほどの試合では使用しなかった天叢雲剣の形態変化を使い伸ばし、開始直後の離れた位置からデュノアさんと楯無さんを同時に横薙ぎに斬りつける。突きのようにただ伸ばして攻撃するより、質量が増えた剣を振るわなければいけないのでその分体に負担がかかるけど、彼女たち二人の距離が近いこの時点ならば奇襲に最適だ。
僕の攻撃に呼応して、簪さんがロックオンを始める。
当然、楯無さんは僕の剣を軽々と躱すがデュノアさんはその攻撃が予想外だったのか、体制を崩しつつギリギリで避ける。
それを見て僕はすぐに剣を戻し、次の行動に移そうとしている楯無さんへ向かってブーストをかける。彼女は蛇腹剣ラスティー・ネイルを呼び出して迎え撃つ構えだ。加えて、体制を立て直したデュノアさんもアサルトカノンを展開してこちらに射撃を行う。
でも、それは悪手だ。僕は体の各所に装着されているブースターを細かく使いながら最低限の動作で躱していく。
『なっ!』
相手には弾丸が通り抜けたように感じただろう。この隙に僕は楯無さんのもとへとたどり着き、簪さんのロックオンも完了、発射される。
僕の武装や戦い方についてはいくらか楯無さんから伝わっているはずだけど、実際に対峙するとやはり勝手が違うのだろうか、動揺が見て取れる。
当然その射線は情報共有によって僕にも見えていて、ほとんどがデュノアさんに向かっているものの一部は楯無さんへと向かう。それが彼女へとたどり着く前に僕は肉薄し、動きを制限する。
『あなたの新しい武器と、簪ちゃんのマルチロックオン。確かにこれは厄介ね!』
厄介といいつつ、僕の剣を受け止める楯無さん。接近戦は彼女の本領ではないはずなんだけど、それでも一歩も引かないあたり、彼女の底が知れない。
僕が楯無さんを抑えている間に、簪さんはミサイルの射出を繰り返しデュノアさんを遠距離に押しとどめつつ攻撃を繰り返し、時折こちらへのサポートも行っている。
一方のデ
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