暁 〜小説投稿サイト〜
IS<インフィニット・ストラトス> ―偽りの空―
Development
第三十六話 好敵手
[3/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
なくなったが、それでもやはり姉との戦いは彼女にとって特別なのだろう。
 
 そんな二人に次の試合の開始時間についての連絡が届く。
 二人が話している間にも第二試合は進んでいたのだが、つい先ほどその決着がついた。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
 


「や、やったッス。ついに先輩を超えたッスよ!」

 試合会場の出入り口へと繋がる中央広場へと紫苑と簪が向かうと、そこからはしゃぎ声が聞こえてくる。
 その特徴的な語尾から紫苑はすぐに声の主が誰かを察し、その意外な試合結果に驚いた。フォルテの実力は確かに高いものがあったが、ダリルに勝つのは難しいと彼は考えていたからだ。

「ちっ、まぁ勝負は時の運だからな。今回は負けだよ」

 渋々といった様子で、負けを認めるダリル。
 だがこめかみには血管が浮かんでおり、どこか納得できていないのは明白である。
 そんな彼女の様子を知ってか知らずか、フォルテは浮かれ続けている。

「ふっふ〜ん。そんなこと言って、もっとウチのこと敬っていいんスよ。あ、これからはウチのこと師匠って呼ぶッスか?」
「……ほぉ? 俺にボコボコにされてたところをオルコットのサポートで助けられて、その隙にかろうじて勝ったお前を師匠と呼べと? なら師匠、今度は二人っきりで納得いくまで殺り合うか?」

 フォルテの相変わらず空気の読めない発言に、ダリルの堪忍袋の緒が切れる。
 背の低いフォルテの頭に手を置いてにっこり微笑んでいる姿は微笑ましく見えるのだが、実際はダリルの目は笑っていないし頭に置いた手は既にアイアンクロウと化している。

「ぎゃー、じょ、冗談ッスよ! 可愛い後輩のささやかなジョークじゃないッスか!? それになんか字が物騒な気がするのは気のせいッスよね!?」

 そんな言い訳が通じるはずもなく、そのままフォルテはダリルに説教を受けることになってしまった。

「はぁ……ま、今回は負けたわ。まさかアンタがパートナーのサポートに回るなんてね」

 ダリルとペアを組んでいた鈴は、自分と同じように二人のやり取りに呆然としていたセシリアに声をかける。

「これもお姉様の指導の賜物ですわ! まぁ、以前のわたくしでしたら、きっとムキになってあなたにばかり集中してしまっていたでしょうけど……」

 今回の試合、セシリアは鈴と相対しながらも勝負を急ぐことなく常にパートナーであるフォルテの位置と状況を気にしながら戦っていた。
 ダリルとフォルテの戦いがフォルテに不利であると察するや、セシリアはビットの位置や射線などを常にサポートに入れる配置に置き、鈴からの攻撃に対しては防御に徹していた。結果、ダリルがフォルテにトドメを刺す直前の一瞬の隙を突き、そこから形勢を逆転することができた。
 この短い期間で
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ