第5章 契約
第81話 王都入城
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そして、今宵のタバサの衣装と言うと、
ほんの少し淡いピンクの掛かった上質の絹を使用した、腕や肩、そして胸元を大きく露出したキャミソールドレスに、肩に巻くストールも白鳥の綿毛を使用した白。ついでに、パーティ用の肘まで隠れる長い手袋も白。更に夜会靴もドレスに合わせた白と言う、徹底的に白に拘り抜いた衣装。
俺に取っては別に目新しくもない、普段の正装時のタバサのドレス。
但し、俺以外、普通のガリア貴族からするとかなり斬新なデザインとなる衣装。
何故ならば、彼女や湖の乙女たちのドレスの基本と成るコンセプトは、コルセットやパニエからの解放。
コルセットで無理に胴体の部分を締め付ける事もなければ、パニエでスカートを膨らませている訳でもない。
地球世界のデザインで言えば、アール・デコ調のクラッシック・ドレスと言うデザイン。
但し、俺のタキシードと、アール・デコ調のドレスのタバサたちとが並んだ姿は、かなり洗練されたデザインとして彼ら、彼女らの目には映っている事でしょう。
それに、スレンダーなタバサや湖の乙女にはアール・デコ調のドレスは良く似合うとも思いますしね。
また、妖精女王や、タバサの傍らに立つ長い赤毛の女性のように豊満な、……と表現すべきボディラインをした女性でも、このふたりの場合は、彼女らの放っている雰囲気がシックで清楚な雰囲気で有る為に、胸を強調し過ぎないドレスの方が、より彼女ららしい雰囲気を演出出来ていると思いますから。
「ガリア王家に逆らう事の愚かさは、レコン・キスタに踊らされた連中が身を持って報せてくれた。そして、ガリア王家に付いて行けば、未だ見た事のない地平。自分たちが知らない文化や文明の発展した姿を見られるかも知れない。そう、貴族たちに考えさせる。
今回、俺が晒し者に成ったのは、それが一番、大きな目的やったからな」
そもそも、ヴェルサルティル宮殿にしたトコロで、その豪奢な建物の内部や、見事に手入れされたガリア式庭園の中を誰にでも見学出来るようにして有るトコロなども、結局は同じ目的。
要は、ガリア王家の権勢を広く知らしめて、貴族達に対して王家に逆らう事の無意味さを理解させてやる為の処置ですから。
当然、今回の祝宴に際して用意された食器はすべて白磁。
確かに、銀製の食器と言う選択肢も有ったのですが、そんな何処の貴族でも用意出来るような有り触れた物で食事を饗するよりは、この世界的には珍しい……。東洋との交流が、エルフが介在する事により難しいこの中世ヨーロッパの世界では、未だ磁器を作成する事は出来ない為に白磁のような艶の有る陶器は存在しません。
そんなトコロに、地球世界の近世ヨーロッパで人気の高かった磁器を使用して食事を饗したのです。
それも、非常に高価な香辛料を
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