暁 〜小説投稿サイト〜
もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
十五夜 〜少女はその奇跡を忘れないだろう〜
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知識や技術はないが、その着眼点は相当近いと言えよう。
しかし、それでもまだ問題があることを指摘したのは残滓シグナムだった。
「だが、防衛システムの中枢でありシステムそのものであるナハトヴァールには致命的なプログラムエラーが存在する。今でこそ残滓という都合のいい身体によって自我を保っているようだが・・・」
「この世界に定着させた瞬間また暴走して結局結末は同じ・・・ってことね。ふわぁ・・・」
付随するように言葉を続けたマリアンが退屈そうに欠伸をする。あまり感心できる態度ではないためかはやてやなのはは少し嫌な顔をしたが、マリアンは気にするでもなく自身のデバイス「パンテオン」を肩に乗せた。
「悪いけどそっち系は専門畑外なの。魔法プログラム関連はそっちの畑を弄ったことがあるクルトに聞いて頂戴ねー?」
「だそうだが、どうなのだ貴様?」
先ほどから腕を組んで傍観していたディアーチェが横目でクルトを見た。先ほどからじっとニルスとナハトの様子を見ていたクルトは、その声に振り返る。自然と全員の視線が彼に集まった。
「死者を助けるってのも変な話だが・・・まぁいい。助けるにあたってパッと思いつく問題があるな。まず、バグを削いであの人格だけを取り出すこと自体は難しくないだろう。何せリインフォース姉妹に闇の書までいるんだから必要なデータは揃ってる。問題はその後だ」
現在残滓闇の書は苗にボコボコにされた顔をシャマルに治療してもらっている。
残滓によって構成されているとはいえプログラムはプログラム。しかもリィン達は元々人格管制プログラムなのだからパーソナルデータに関しては完全にナハトより上位である。ならば人格は問題なくバグから切り離せるのだが・・・
「切り取ったプログラムを入れる器が無い。残滓で構成された身体をどう改変しても事件解決の暁には供給が消滅し崩れ去る。他のものに入れようにもリンカーコアの存在しないものに入れた場合は魔力供給が途絶えるから形を保てず直ぐに消滅するだろう。無理な形で定着させれば最悪データが吹き飛んで元も子もなくなるし・・・」
「・・・僕、話に全然ついていけません」
「ボクもー」
「アタシも無理−」
早くもリタイアしているクロエonしっこく、レヴィ、ヴィータは早々にマリアンの仲間入り。はやても何か方法はないか頭を捻っているが、そもそも魔法知識が不足しているのでどうにもならなかった。
「お兄ちゃんか、お母さんなら―――」
ふと、フェイトがそう漏らした。
フェイトにとって義理の兄であるシャインはプレシアの難しい話にも平然とついていける天才なのだ。実際には結構張りぼてだが、それでも自分よりも遙かに頼りになるであろう事は間違いない。そして人造魔導師の研究をしていたプレシアならばそちら方面のプロである
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