早とちりは俺の悪癖です。
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
過剰過ぎだろ……Mituruは善意で来てくれたのに、何言ってんだ俺。 恥ずかしすぎる。
「俺は、Si-Naに会えて結構嬉しかったんだが――どうやら迷惑だったようだな……」
「い、いや! そんなこと無いぞ!」
Mituruの悲しげな言葉に慌てて立ち上がる。
「子ども達も喜んでたし、良い経験になったし――その、急だったから少し驚いて……早とちりして悪かったな」
「迷惑じゃないなら良かった。」
理不尽に怒鳴られたのに笑って許してくれる美鶴に、羞恥心と罪悪感が募る。
うわあもう恥ずかしい! 俺の馬鹿野郎ー!
数分前の俺を全力で殴りたいです!
「それで、土曜日の件だが――」
土曜日……そういえばそんな約束したな。
いや、忘れてたわけじゃ無いぞ?
色々あったせいで、ちょっと意識の外に行ってただけです。 本当です。
「……しょっちゅう打ってるんだし、またネット碁で良いんじゃないか?」
「何を言う。 ネット越しに打つのと直接打つのでは全然違うだろう。 せっかく会えたんだ。 もう長い付き合いなんだし、そろそろオフ会の一つや二つ、あっても良いんじゃないか?」
「オフ会ね――まぁ良いけど、でも場所どうすっかなぁ」
タイトルホルダーと打てると思ったからこそ遠出でも何でもするつもりだったが、相手がMituruじゃあ遠出する気にはなれない。
とは言え、今回のことでMituruには借りも出来てしまったし、蔑ろには出来ないよなぁ。
行った事無いけど、碁を打つところと言えば碁会所か?
しかしタイトルホルダーを連れて行ったら大騒ぎになりそうだよな……。
この近くで静かに碁が打てるところ……。
「うーん……俺の家に来るか?」
「……っい、いいのか!?」
うおっ! 何か食いつきが良い。 ……やっぱ止めたくなってきた。
いやしかし、男に二言は無い!
「お、おう。 ネット碁しか打たないから碁を打つのに良い場所知らないんだよな。 うちなら一応碁盤もあるし……」
「だが、あまりリアルのこと知られたく無いんじゃなかったか?」
「もうこうして会っちゃったんだ。 それはもう諦めたよ。 どうせ、いつかは教えようと思ってたんだ。 ――た・だ・し! 条件がある」
「条件……?」
「プロになれとしつこく言わないこと! これさえ守ってくれるんなら別にリアル付き合いしても構わん」
「……………わかった」
それだけがネックだったからな。 しっかり釘刺しとかないと。
それさえなければMituruは唯一の囲碁友だちだし、一度はリアルで会ってみたかったんだ。
それに……香坂砕臥先生の息子だから、もしかしたら、いつか直接会わせて貰えるかも――いやそれどころか、もし、もし香坂先生と打たせて貰うことができたら……!
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ