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人狼と雷狼竜
修行の成果と……
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来る鉄の塊に顎から上を砕かれながら吹き飛んだ。
 だがジャギィ達もすぐに体制を立て直して小冬達に反撃を試みるも、意図的に遅れて突入してきた神無の楯と正太郎の銃槍に阻まれて返す刃の如く、切り伏せられるか殴り飛ばされる。
 そして始まる乱戦。囲まれた神無達四人だが、背中合わせの攻防を実に上手く活用している上に、側面からは炸裂弾からただの鉄の(つぶて)に切り替えられた砲弾と降り注ぐ矢によって追い詰められ、砲と矢の方に攻撃を試みれば遊撃要因であるヴォルフによって一刀のもとに斬り捨てられた。
 跳んで上空から奇襲を掛けようにも、砲撃手の夏空と弓兵の梓はそれを常に警戒した上で狙撃している為に全く効果が無い。跳んだ所で砲弾で文字通り吹き飛ぶか、矢を受けて体制を崩して落ちた所を大楯に受け止められるか怪力を持って振るわれるハンマーで殴り飛ばされる。
 囲んだ四人だけなら容易くても、そこに側面攻撃を行える射手二人と凄腕の遊撃要因が加われば、ドスジャギィが如何に統率を試みようと全く手が付けられない。それどころかドスジャギィ自身も遊撃要因の強烈な牽制の為に迂闊に動くことが出来なかった。
 だがそこにも綻びはあった。
「そこだぁっ!」
 正太郎が銃槍をドスジャギィに向けて引き金を引き絞る。
 地に響くような轟音と共に銃口が火を噴き、放たれた弾丸は狙いから逸れてドスジャギィの首を掠めて後方へと飛んで行く。
「きゃあっ!?」
「ふわっ!?」
 しかし、突然の銃声に怯んだ神無と小冬がバランスを崩した。
 不意に現れた好機にジャギィノスが裂けた大きな口を開き、鋭い乱杭歯が並んだ顎で神無に喰らい付かんと襲い掛かる。
「しまっ!?」
 正太郎が自分の迂闊さを呪いつつも神無を守ろうと駆け出すが、今の自分の位置からではとても援護には間に合わない。
 しかし飛来した黒い短刀が、神無に喰らい付こうとしていたジャギィノスの額に吸い込まれるように突き刺さり、もう一方では隙を見せた正太郎にドスジャギィが反撃を試みるが、その腹部にはヴォルフが手にしていた刀が投じられ鍔元まで突き刺さった。
「苦無? ヴォルフ?」
 小冬は苦無を投じて神無を助けたヴォルフの姿を確認しようと視線を走らせ、彼のその背後にジャギィノスが大口を開いて今にも噛み付こうとしていたのを目にした。
「ヴォルフ!」
 小冬が叫ぶが、その時には既にヴォルフは自身の頭を噛み砕かんとしていたジャギィノスの顎を振り向きながら躱すと、ジャギィノスの首と胸元に手を添えるとそのまま一気に地面に叩き付けるように投げ飛ばした。
 肉が地面を打つ生々しい音が響くと共に、ヴォルフは抜き放った苦無をジャギィノスの喉に突き刺し横へ抉って致命傷を与えた。
「やあっ!」
 そして椿の横殴りの一撃を受けたジャギィが吹き飛んだのを最
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