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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
十五夜 〜少年は真実を見るだろう〜
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ていた。

「君は8歳の頃、テストの全科目を100点で通過したことがあるね。でも文章問題が先生の用意した模範解答例とぴったり一致していたことからカンニングの疑惑を掛けられ、覚えのない罪について謝罪させられた。また7歳の時は買って貰った覚えのない服が家の中で発見され、父親に何所から持ってきたのかを問い詰められた。その時は君の友達の羽岡ちゃんが機転を利かせて事なきを得たけど、事の真相は不明のままだった・・・6歳の時は、君に向かって跳んだボールが突然カーブして友達の頭部に当たって、周囲の人たちからまるで君の所為であるかのような目線を受けたことが無かったかい?彼女が付けていたヘッドホンも壊れてしまい、父親が弁償する事態にになりかけた。その友達・・・希月ちゃんとはそれ以来話しにくくなっているね。彼女は元々病弱だったから余計に同情を集めたのかもしれないが・・・」

錯乱しているのか冷静に物事を考えられない頭で、それでも感じる感情―――得体の知れない人間が迫ってっ来る恐怖に手が震える。

―――いや、この震えはそれだけではない。

彼が先ほどから語っている内容を彼女は知っている。
彼の言葉は・・・全て彼女が過去に体験したことのある事柄だった。
何故、どうして知っているの。どこで、誰に聞いたの。

「そういった『極めて不自然な現象』が君の周りでは頻繁に起きていた。そしてそれは大抵自分が疑われたり、気味悪がられるような内容ばかり。結果、君は他人と接することがだんだん怖くなっていった。お父さんは随分悩んだみたいだよ?君のそれの原因は霊的、超常的なレベルに達していたからね・・・『学園都市』を初めとした超能力機関に君を調べてもらうかどうか、今でも悩んでるみたいだね」

月光がこちらに来る人間の姿を少しだけ照らし出した。彼の美しい金色の髪が月光を反射する。
矢張り、見覚えのある人間ではない。
彼女はだんだん息苦しくなってきた。それらは彼女にとって思い出したくもない過去であり、それを蒸し返すような彼の言葉が、自分を攻め立てているような気がしたのだ。唯でさえ芳しくない体調がそれに拍車をかけ、布団から起き上がることも出来ない。

「君自身も、その現象を霊的な何かに憑りつかれている所為だと考えるようになった。でも『お化けに憑りつかれている』なんて大人や友達に言っても笑われるだけだと思った君は、その衝動を心の奥底に仕舞い込んだそうして心の殻を形成していった。・・・そしてある時、君は心のどこかで『男の子の友達が欲しい』と考え―――それが数日後に現実になった」

男の友達。確かに欲しいと思った。思った数日後に学校に転校してきたのだ。―――高町黒衣くんが。
彼は私の落書きを見ても笑わなかったし、少年バットの事を本当にいる人みたいに喋っていたのも嬉しかった。少
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