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Fate/InterlaceStory −剣製の魔術師−
プロローグ~異世界へ~
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たのか慌てた様子で部屋を出て夫と思えるような男性を連れて来た。
「具合はどうだい?凄い傷だったからここで治療させてもらってたんだけど――」
――傷?
彼から聞いた言葉に朧気だった意識が覚醒する。奔流のように脳に流れていく光景……それは鮮血によって紅く染まった砂丘の赤い丘。
至る所に数多の刀剣が突き刺さっていて、そしてその中心に血を流しながら立っているのは自分の――。
「――生きて……いるのか?」
「え?」
消え入りそうな呟きに、側から困惑したような声が聞こえた。
見れば先ほどの女性が濡れた手拭いを手に、こちらを不安そうな瞳で見つめている。
その瞳の下に明確に隈がうつっていることからつきっきりで看病してくれていたのだと悟った士郎は後悔した。
――そこまでしてくれた人に今の言葉は失礼極まりない。
「――いや、何でもない。もしや貴方が手当てを?……そうか、ありがとう。お陰で助けられた」
礼を言おうと上半身を起こそうとするが、全身を走る痛みに顔を歪める。それにかなりの倦怠感に包まれているようだ。
先ほど生きていることに疑問を抱いたような言葉を口にしたが、それは士郎が自殺願望者だから……というわけではない。
治癒能力が極めて高い士郎だが、あの状態から生き延びたことに純粋に驚いていたのだ。
「ダメよ!……まだ傷は癒えきってないのだから安静にしないと」
「大丈夫だ。こう見えても頑丈な方なのでな。――それに寝たまま礼をするなど失礼極まりないだろう?」
痛む身体に叱咤をかけ、表情に出さずに立ち上がると二人に向かい合って頭を下げる。
「改めて礼を言わせてくれ。俺の名は衛宮士郎……失う筈だった命を拾ってくれて、本当に…ありがとう」
そんな士郎を見て二人はしばらく唖然としていたが、立ち直ると優しく微笑んだ。
それから三人はそれぞれ軽い自己紹介を済ませた。その中でも驚かされたのは高町士郎の隣にいる女性――桃子には二人の娘と一人の息子がいるらしい。初見では結婚してまだ間もない妻のようにしか見えない。
「――年齢不相応な人ね。雰囲気もそうだけど私達よりも年長者に感じてしまうわ。まあそれはともかくどうして士郎……夫と重なってややこしいからシロくんでいくわね。それでシロくんはどうして怪我をしていたの?夫が言うには何もないところから急に現れたって話なんだけど」
その呼び方に違和感を感じた士郎は、その問いに一瞬悩むそぶりを見せたが、意を決したように真剣な表情をすると話を切り出した。
「……ああ。その事なんだが、その前に一つだけ言っておかないといけないことがある。これから話すことはそれを前提としての事だからな」
今までの中でも一層際立って見える真剣味を帯びた彼
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