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Fate/InterlaceStory −剣製の魔術師−
プロローグ~異世界へ~
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声。
――それは衛宮士郎にとって最愛の声。
「――いるのか?アルト」
「そうよ、士郎。私の愛しき人」
自分を抱きしめている彼女から魔力が供給され始めたのだろう。もはや枯渇寸前であった士郎の魔力は、再び満ち始め、それを受け取った彼の中にある聖剣の鞘が、微々たるものだが治癒を開始したのだ。
視力が僅かながら回復した事を悟った士郎は瞳を開ける。
懐かしい人達がいた。
遠野志貴がいた。アルクェイド・ブリュンスタッドがいた。蒼崎青子がいた。ガイアの魔犬がいた。黒と白の二人の騎士がいた。
――そして血のような紅色の瞳を持ち、漆黒のドレスを身に纏った最愛の女性、アルトルージュ・ブリュンスタッドがいた。
「――万華鏡よ、宜しく頼む」
最期の最後に彼女達に会えただけでも十分だ。
師父が宝石剣を手にここに来たということはつまりそういうことだろう。
アルトとはこの温もりだけで別れを済ませた。 志貴さん達や先生に至っては言うまでもないだろう。
そんな事を考えながら、士郎は霞んでいく瞳を再び閉じる。
「何時しか私も貴方のいる世界へ向かいます。だから士郎、貴方はもう休みなさい」
それを肯定と受け取ったのか笑みを浮かべ、数百年にも渡り戦い抜いた衛宮士郎は、暗くなっていく意識のなかで世界に別れを告げた。
-Interlude-
月明かりが照らす森林の中、鍛練の一貫として小太刀を振るいながら彼――高町士郎は深く溜め息を吐いた。
自分の半身ともいえる得物を手にしてからもう数十年が経っているのだろうか。彼は淡々と振るいながらも自身の腕が徐々に鈍りを見せ始めていることに気づいていたのだ。
現在でさえ、今の自身は全盛期の頃と比べれば一回りほど劣っている事が確認できるからだ。
「――どれだけ鍛えようが……老いには抗えないってことだね」
老いというにはまだ若すぎる年齢であろうが、身体能力が低下の兆しを見せる程までには年をとっていることに変わりはない。
だがこのままいけば美由紀はともかく、恭也が自身を追い抜く日もそう遠くはない。
――恐らくは一族が継承してきた体術が原因と言えるかもしれない。
そもそも士郎達が継承している流派は、世間一般には知られていない裏側によるもの。
日々の鍛練の成果があってこそその武術が大幅に扱える域にまで達してはいるが、あれは人の身には負荷が掛かりすぎる代物なのだろう。
現に士郎の身体にはもう淀みのような違和感が感じられてきている程だ。
「――そろそろ引退して若い世代に任せろ……って事かな?」
寂しさにもにた苦笑が彼から漏れるが、それに反して後悔はしていないようにも見える。
――これで良い、と。
彼
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