prologue
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機巧魔術。それは、時代の最先端を行く、魔術の概念を一転させた技術。自動人形と呼ばれる、魔術回路を有した傀儡と、それを操る機巧魔術師のコンビネーションによって、従来の魔術よりもより強力に、よりスマートに、魔術を行使できるようにするという物。時代が『機械』に移り変わった今、魔術もそれに適応したのである。
それだけではない。この機巧魔術の登場によって、魔術師たちは長ったらしい詠唱や、様々な呪符などのアイテムを用意することなく、非常に簡単に魔術を使うことができるようになった。ただひとつ。《魔活性不協和の法則》を除けば。
これは、同じ自動人形の内部にセットされた魔術回路どうしが共鳴し、お互いの機能を阻害し合う、という物だった。現在の所、この法則を潜り抜けて使用できるのは自動人形を動かす魔術回路《イヴの心臓》のみ。一体の自動人形が複数の魔術回路を保有するのは不可能であった。
これによって、魔術師は操れる魔術のバリエーションにわずかばかり規制が入るというデメリットをこうむることになった。しかしそのデメリットを補って有り余るだけのメリットを内包しているマキナートが世に急速に流通していくのは、だれにも止められなかった。
機巧魔術は、軍事利用にも転換された。イギリス王国が誇る機巧魔術師で構成された《機巧師団》は圧倒的な力を誇った。それを見せつけられた世界各国の大国が、血眼になって優秀な機巧魔術師を育てようとするのも当然のことである。
そして英国は、さらなる機巧魔術師たちの教育を目的に、巨大な王立学院を設立する。
なを、《ヴァルプルギス王立機巧学院》。定期的に行われる《夜会》と呼ばれる戦いで勝利を収め、最強となれば《魔王》と呼ばれる称号を手にすることができる。この称号は、そんじょそこらの称号とは格が違った。
魔術は、便利であるが故の禁忌が数多く存在する。機巧魔術に限っても、数えきれないほどの禁止事項が存在するほどだ。
たとえば、《禁忌人形》作成の禁止。バンドールは、『生物の肉体』を素体としてつくられた自動人形だ。
魔力とは生命の力である。つまり、「生きた肉」があれば、自動人形は主無しでもある程度自由に行動ができるという事になる。魔力補給がほぼ不要になるからだ。
たとえば、《禁書》の閲覧。禁書は、過去の様々な法外・仁徳外などの物を含む様々な魔術実験などを記録した本だ。王立大図書館らの最奥部に、厳重に保護され、一般人はおろか、一流の機巧魔術師ですら閲覧を許されていない。
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