第七十五層攻略会議にて
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当たり前じゃない!どうして、どうして、いつも・・・」
エリーは両手で顔を覆い、泣いていた。無理もない、愛する人が目の前で今にも死にそうなのだから。
俺はエリーの頭に手をポンと置いた。
「・・・俺さ、現在世界で事故にあってさSAO(ここ)にいる今でも寝たきりなんだよ。動かせるのは頭と右腕だけ、医者にはそれだけでも奇跡だって言われたよ」
「・・・・・」
「その日の夜はすげー泣いたよ、子供の頃から続けてた野球ができないって思うと余計にな・・・。でも、そんなとき渡されたのがSAOのβテスト版なんだ。はじめはやらなかったんだ、『こんな身体になってすることはないから』ってな。でも、そん時親父に言われたんだ、『やらないよりやって後悔しろ!』って、その時以来かな、ゲームにのめり込んだのは・・・。それと同時にリハビリも死ぬ気でやってSAOに来る前までには左手が動くようにまでなった」
「・・・・・」
「俺はさエリー、お前に会えて、ハーモニーのみんなに会えてよかったと思ってる。あんなに笑ったのは本当に久しぶりだったから・・・」
「・・・・・」
「エリー、俺さ、後悔したくないんだ。親父に言われたように、“やらずに後悔したくないんだ”。こんなこと身勝手かもしれない、でも!俺はそれでも・・・」
「分かってる・・・」
エリーは立ち上がり、涙を拭った。
「シオンが無茶苦茶無理するのは、知ってるから。いまさら、どうこう言ってもしょうがない。でも、改めて、約束して・・・」
そう言ってエリーは優しく抱きしめた。
「“後悔なく生きて”・・・」
その言葉にSAOに来る前の俺はなんと答えただろう、多分、『ふざけるな』なんてこと言ったんだろうな。でも、今は違う・・・。
俺は目を閉じ、微笑みながら言った。
「はじめから、そのつもりだよ」
俺は立ち上がり、新たな決意と共に第七十五層へと向かった。
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