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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第十六話 裏切りと本質
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いた場所に一人の女性が立っていた。

「は〜い、おはよナウヨックス」

「……ウェスパシアヌスか。その様子だとルサルカを喰らったのか?」

ウェスパシアヌス、見た目は妖艶な艶をもつ二十代半ばといったところであり、ボトムレスピットでアルフレートが本来なら恵梨依に司狼のティトゥスと同じように仕込ませておこうと思っていた分体の一人。結果的にルサルカが喰らった後だったのでルサルカに仕込ませておいたのだがそれがルサルカが死にそうになってようやく出てきたのだった。ルサルカ本人を喰らうという形で。

「そうよ。後、その名前は男性名だから嫌なのよね。だからパシアスってよびなさい」

相変わらず彼《・》以外には横柄だね。と呟きつつ今まで漏れ出し放っていたであろう本質が也を潜める。それによって空気が弛緩し、ほんの僅かに戦闘において最低限の警戒をするレベルで緊張を緩める司狼とティトゥス。しかし、その油断がいけなかった。

「なッ!?」

突然勢いを増した吸精。ヴィルヘルムがシュライバーとの戦闘の際に創造を強めた結果であり、疲弊していた司狼とティトゥスは膝を着く。
そしてアルフレートはそうなることを知っていた(・・・・・)かのように同時に動き出す。影は玲愛を絡め捕り司狼の右腕から奪い取った。

「しまった!」

ティトゥスが玲愛を奪い返そうと銃弾を放つがそれらは全て防がれる。それどころかパシアスがルサルカから奪い取った『食人影(ナハツェーラー)』を擬似的に使いこなし司狼とティトゥスの動きを止める。

「手を貸さなくとも勝てたんだけど…」

「いいじゃない、こういうのは早く終わらすべきでしょう」

「こう続々と新キャラ出ると俺の立場ねェな。しかも、それあの女の能力だし。俺が聖遺物奪ったはずなんだけど、どういうことだよ?」

司狼は動けない状況に陥りながらもせめて情報を手に入れようとパシアスに疑問を投げかける。が、パシアスはまるで司狼が居ないかのように反応を示さない。というよりも興味の対象になっていないのだ。

「それにしてもようやく外の戦いは終わりといったところかな?彼女のことを任せてもいいかい?」

「しょうがないから見といてあげるわ。でも速く帰ってこないと二人には逃げられるかも知れないわよ?」

「それならそれで仕方ないさ。テレジアちゃんを取られさえしなければ問題は無いんだし」

外の戦いの音が小さくなっていっていることからそう判断したアルフレートは外に出ようと歩き始める。

「ッ…オレ等のことは無視かよ。戻ってくるまでに先輩ともども逃げさせてもらうから覚悟しとけよ」

アルフレートを瀕死に陥らせた二人を無視し玲愛を捨て置き白の英雄の戦いの勝者に会うために外に出ようとする。司狼の発言は完全に無視して
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