暁 〜小説投稿サイト〜
少年少女の戦極時代
第34話 知りたくなかったこと
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

『あれがヘキサとミッチくんのお兄さん、かもしれない人――?』

 龍玄は無言で肯き、ブドウ龍砲を構えた。月花もDFバトンを両手に構えて腰を落とした。

『――行くぞ』

 機先を制したのは龍玄だった。

 龍玄はブドウ龍砲を白いアーマードライダーの足元に撃つ。本人を狙っていないのでもちろん白いアーマードライダーにダメージはない。

『どこを狙っている』

 一気に距離を詰めてきた白いアーマードライダーの無双セイバーを、月花がDFバトンを交差して受け止めた。

 もちろん幼女と男ではパワーからして違うので、DFバトンの防御はすぐに解かれて胴を狙われる。月花は腕の筋肉を総動員し、再びDFバトンでガードした。あえて後ろに飛ばされることでダメージを逃がした。

 龍玄がその隙を活かして、今度は本人に向けてブドウ龍砲を撃った。だが白いアーマードライダーは盾であっさり防いでしまった。

(コーボーイッタイなんてズルイ!)

 月花は龍玄に迫る白いアーマードライダーにバトンを振り被り飛びかかった。

 月花のDFバトンを白いアーマードライダーがいなす間、龍玄はまた距離を取ってブドウ龍砲を撃つ。
 徐々に彼らは、近接を月花、遠距離を龍玄で引き受けるようになっていった。


『ええい――小賢しい!』

 白いアーマードライダーは無双セイバーをチャージし、撃った。龍玄の手からブドウ龍砲を弾かれ、本人も被弾した。

『くあっ!』
『ミッチくん!!』

 龍玄に気を取られた隙を突かれた。白いアーマードライダーに、無防備になった頭を盾で殴られた。
 よろめいた月花に追い打ちをかけるように、1度、2度と腹を蹴られ、月花は地面に転がった。

『咲ちゃん…!』

 はっとする。龍玄がこちらに助けに来ようとしている。いけない。

 白いアーマードライダーは立ち上がった龍玄に盾を投げた。盾はブーメランのように跳んで龍玄に直撃した。龍玄は再び倒れた。


 月花は傷を押して、倒れ悶える龍玄の傍らへ這って行った。
 起き上がり、龍玄を両手で揺さぶる。

『ミッチ…くん…! ミッチくんッ!』

 影が差した。月花は顔を上げた。すぐ後ろに――白いアーマードライダーが立っていた。

『――ぁ』
『喚くな。耳障りだ』

 白いアーマードライダーが剣を振り被った。このままでは自分も光実も殺される。


(ころされないためには、どうすればいい?)


 その瞬間、月花は、白いアーマードライダーのがら空きの懐にタックルした。両手に持てるだけの、DFボムを持って。

『――ゃぁああああああああっっ!』
『何、だと!?』

 月花と白いアーマードライダー、二人を巻き込んで、手榴弾の果実
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ